シムス (駆逐艦)

アメリカ海軍駆逐艦USSシムス(DD-409)：激動の艦歴と珊瑚海海戦での最期

USSシムス(DD-409)は、アメリカ海軍が運用したシムス級駆逐艦の1番艦です。艦名は海軍の近代化に貢献したウィリアム・シムス提督に因んで命名されました。1937年7月15日にメイン州のバス鉄工所で起工、1939年4月8日に進水、同年8月1日に就役しました。初代艦長はウィリアム・アーサー・グリスウォルド少佐でした。

戦間期と太平洋戦争開戦

ボストン海軍工廠での試運転とカリブ海での訓練を終えたシムスは、1940年8月2日にバージニア州ノーフォークの大西洋艦隊に配属されました。その後、カリブ海と南大西洋で哨戒任務に従事し、1940年11月～12月にはマルティニーク島周辺を哨戒しました。1941年5月にはロードアイランド州に帰還し、7月にはアメリカ機動部隊の一員としてアイスランドへ向けて出航、北大西洋で哨戒任務に従事しました。

太平洋戦争開戦後の1941年12月7日、シムスはヨークタウンを中心とした第17任務部隊に編入され、サンディエゴへ向けて出航、海兵隊の輸送に従事しました。当時、日本軍によるサモア攻撃が懸念されており、この攻撃阻止のため、マーシャル諸島の日本軍基地に対する空母攻撃が計画されました。シムスは空母部隊の護衛任務に就きました。

珊瑚海海戦と沈没

1942年4月下旬、日本軍はオーストラリア攻略作戦を開始、シムスは補給艦ネオショーの護衛任務に就きました。5月7日、日本軍機の攻撃を受けました。ネオショーとシムスは日本軍機から空母と巡洋艦と誤認され、執拗な攻撃を受けました。ネオショーは複数の爆撃を受け航行不能となり、シムスも250kg爆弾3発の直撃を受け、機関室で爆発が発生、船体が折れ曲がり沈没しました。乗組員の大半は戦死、生存者はわずか13名でした。シムスは1942年6月24日に除籍されました。

戦功とその後

シムスは第二次世界大戦での戦功により2つのバトルスターを授与されました。珊瑚海海戦での活躍、そして悲劇的な最期は、太平洋戦争におけるアメリカ海軍の戦いの激しさを物語るものです。

参考文献

Verton, Dan (2006). Grace Under Fire: The Sinking of the U.S.S. Sims and the Amazing Story of Its 13 Survivors. Outskirts Press. ISBN 978-1-59800-581-3
Keith, Don (2015). The Ship That Wouldn't Die: The saga of the USS Neosho. New York, New York: NAL caliber, a division of Penguin Group. ISBN 978-0-451-47000-3
* Dicken, Robert James. “Personal observations of SIMS #409 disaster”. ibiblio.org. 3 October 2015閲覧。(Report made to the Secretary of the Navy by the senior petty officer in the group of survivors)

これらの資料は、シムス乗組員の証言や当時の状況を詳細に伝える貴重な情報源となっています。シムス(DD-409)の物語は、戦争の残酷さと同時に、勇敢に戦った乗組員の精神を示す、忘れられないものです。 本稿では、これらの資料に基づき、可能な限り正確に、シムスの艦歴を記述しました。

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