シャプカ

シャプカ（ロシア語: Шапка）は、ロシアの伝統的な民族衣装に欠かせない帽子の一つです。ただし、ロシア語では一般的に帽子全般を「シャプカ」と呼ぶ場合があるため、ここでは本来のシャプカについて解説します。

概要

シャプカは、高さ約30cm強の円錐形をしています。その特徴は、毛皮で作られた、幅約9cmの縁取りが側面下部をぐるりと囲むように取り付けられている点です。ウシャンカのような耳当てや、つばのような突き出し部分はありません。縁取りには前面、時には後頭部側にもスリットが入ることがあります。頭頂部は通常、天を向いていますが、時には側面に向かって折り曲げられることもあります。

「シャプカ」という名称は、古フランス語の「chapel」や「chape」、ラテン語の「cappa」、ポーランド語の「czapka」などに由来すると考えられています。文献上では、1327年から1328年にかけて、モスクワ大公イヴァン1世が聖職者について出した勅令の中に初めて登場します。しかし、ズブルチの偶像の頭部彫刻からは、その起源は9世紀頃まで遡るとも考えられています。

シャプカは、ロシア社会のあらゆる階層の人々に広く愛用されてきました。

歴史的なシャプカ

歴史の中で、特に重要なシャプカとしては以下のものがあげられます。

モノマフの冠（シャプカ・モノマハ）：ロシアのツァーリ（皇帝）の戴冠式で用いられたシャプカです。非常に重要な歴史的遺産として知られています。

その他の帽子

シャプカに関連する帽子として、以下のようなものがあります。

ウシャンカ：耳当てが付いた防寒用の帽子で、ロシアの冬には欠かせません。
パパーハ：カフカス地方に起源を持つ円筒形の帽子です。

脚注

注釈

出典

参考文献

Иван Забелин. Домашний быт русских царей в XVI и XVII столетиях. — Москва: Издательство Транзиткнига, 2005.
Рабинович М. Г. Древняя одежда народов Восточной Европы. — Наука, 1986.
井桁貞義編 『コンサイス露和辞典』 三省堂、2009年

関連項目

ウシャンカ - 耳当てのある帽子
パパーハ - カフカス由来の円筒形の帽子
歴史上のシャプカ

モノマフの冠（シャプカ・モノマハ） - ツァーリの戴冠式に用いられたシャプカ

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