シャプレヤ (小惑星)

シャプレヤ（1123 Shapleya）は、火星と木星の間に広がる小惑星帯、いわゆるメインベルトに位置する小惑星の一つです。その軌道の特徴から、バティスティーナ族またはフローラ族のいずれかに属すると推定されています。これらの族は、共通の起源を持つ小惑星群であり、過去の天体衝突によって形成されたと考えられています。

シャプレヤの発見は、1929年9月21日にクリミア半島のシメイズ天文台で行われました。発見者は、当時この天文台で活動していたソビエト連邦（現：ウクライナ）の天文学者グリゴリー・ニコラエヴィチ・ネウイミンです。ネウイミンは、多くの小惑星を発見したことで知られています。

この小惑星の名前は、アメリカ合衆国の著名な天文学者ハーロー・シャプレーに敬意を表して名付けられました。シャプレーは、銀河系の大きさや構造に関する研究で知られており、特に球状星団の研究で多大な貢献をしました。彼が提唱した「宇宙の島」説は、当時議論の的でしたが、後に観測によって裏付けられました。シャプレーは、後にハーバード大学天文台の所長も務め、天文学界に大きな影響を与えました。

シャプレヤの軌道や物理的な特徴に関する詳しいデータは、JPL（ジェット推進研究所）のSmall-Body Database Browserで公開されています。これらのデータからは、シャプレヤの正確な軌道要素やサイズ、アルベド（反射率）などがわかります。小惑星の軌道要素は、その天体の太陽系内での運動を理解する上で重要な情報であり、他の天体との衝突リスクを評価するためにも用いられます。また、サイズやアルベドは、小惑星の組成や形成過程を研究する上で重要な手がかりとなります。

小惑星は、太陽系形成初期の残骸と考えられており、その研究は、太陽系の起源や進化を理解する上で不可欠です。特に、小惑星帯は、太陽系誕生時の状態を比較的よく残していると考えられているため、多くの研究者の関心を集めています。シャプレヤのように、特定の族に属する小惑星を研究することは、その族の形成過程や、親天体の衝突イベントを解明する上で重要です。

シャプレヤは、小惑星の一覧（1001-2000）にも記載されており、小惑星のカタログの中で重要な位置を占めています。また、小惑星リリアナ（Liliana）も、小惑星研究における関連天体の一つとして注目されることがあります。これらの小惑星を研究することで、太陽系全体の理解を深めることができるでしょう。

このように、シャプレヤは、小惑星研究における重要な天体の一つであり、その発見から命名に至るまでの歴史、そしてその軌道や物理的な特徴は、天文学の進歩に貢献しています。

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