シャマルダル

シャマルダル - 輝かしい競走馬としてのキャリアと種牡馬としての偉大な功績

シャマルダルは、イギリスで活躍した競走馬にして、後に名種牡馬として名を馳せたサラブレッドです。アラビアンナイトに登場する魔神に由来するその名に相応しく、華麗なる競走馬としてのキャリアと、引退後の種牡馬としての偉大な功績によって、競馬史にその名を刻みました。本稿では、シャマルダルの生涯を詳細に辿りながら、その輝かしい軌跡を振り返ります。

幼少期と競走馬デビュー

シャマルダルは、当初アーメッド・ブハルーダ氏によって所有されていました。しかし、ブハルーダ氏がロンドンのカジノで多額の損失を出したことを契機に、所有権はゴドルフィンへと移譲されます。調教師も、ブハルーダ氏所有時にはマーク・ジョンストン氏、ゴドルフィン所有後はサイード・ビン・スルール氏へと変わりました。

2歳時のシャマルダルは、デビュー戦で圧勝。その才能を早くも開花させました。続くヴィンテージステークス（G2）では、後にブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを制覇するウィルコを相手に勝利し、重賞初制覇を飾ります。そして、2歳G1レースであるデューハーストステークスでも見事勝利。この活躍が評価され、シャマルダルは2004年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されました。

3歳時 - ヨーロッパクラシック競走制覇

3歳シーズン、当初はイギリスの2000ギニーを目標にされたシャマルダルでしたが、ゴドルフィンによるケンタッキーダービー制覇を目指す計画に基づき、UAEダービーに出走します。しかし、ダートコースでのレースはシャマルダルにとって不向きだったようで、9着と大敗を喫しました。

この結果を受け、ゴドルフィンはケンタッキーダービー出走を断念。再び芝路線へ転換したシャマルダルは、続くフランスのプール・デッセ・デ・プーラン（G1）で勝利し、G1競走2勝目を挙げます。さらには、ジョッケクルブ賞（G1）でも勝利を収め、1961年のライトロイヤル以来44年ぶりとなるフランス二冠を達成しました。

勢いに乗るシャマルダルは、セントジェームズパレスステークス（G1）でも勝利。3歳シーズンだけでG1レース3勝という輝かしい成績を収めました。しかし、続くエクリプスステークス出走に向けての調教中に右前球節部を骨折し、惜しまれつつも競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

種牡馬としての成功

引退後、アイルランドのキルダンガンスタッドで種牡馬となったシャマルダルは、その卓越した遺伝子によって、20頭を超えるG1競走勝ち馬を輩出しました。その産駒たちは世界中で活躍し、シャマルダルは名種牡馬としての地位を確立しました。代表的な産駒には、プール・デッセ・デ・プーランとジョッケクルブ賞を制したロペデヴェガ、そして香港で活躍したエイブルフレンドなどが挙げられます。

シャマルダルの遺産

2020年4月16日、シャマルダルは16歳でこの世を去りました。しかし、その競走馬としての輝かしい実績と、種牡馬として数々の名馬を輩出した偉大な功績は、競馬史に永遠に刻まれるでしょう。シャマルダルは、多くの競馬ファンにとって、永遠に記憶される伝説的な馬として語り継がれていくことでしょう。

血統

シャマルダルの叔父には、ドバイワールドカップ優勝馬であるストリートクライがいます。この血統背景も、シャマルダルの卓越した能力の一端を垣間見せるものと言えるでしょう。シャマルダルの血統は、世界中の多くのサラブレッドの血統に影響を与え続けています。

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