シャマルパ

シャマルパ：紅帽派の活仏

シャマルパ（チベット語: ཞྭ་དམར་པ་, ワイリー式転写: Zhwa dmar pa）は、チベット仏教カギュ派における重要な活仏（生き仏）の名跡です。シャマル・リンポチェ、または正式にはクンズィン・シャマル・リンポチェと呼ばれ、カルマ・カギュ派、通称「紅帽派」の指導者として知られています。阿弥陀仏の化身であるとされています。

本寺はヤンパチェン寺です。

シャマルパ14世

近年では、シャマルパ14世が知られています。1952年にカム地方のデルゲで誕生し、4歳でツルプ寺に入門した際、カルマパ16世によってシャマルパ14世として正式に認定されました。しかし、2014年6月11日に遷化されています。

歴史的背景

シャマルパの歴史は、初代シャマルパであるケートゥプ・タクパサンギェー（1283年～1349年）に遡ります。彼はカルマパ3世の弟子でした。

カルマパ2世の預言書には、「我は2つの体を持って転生する」という記述がありました。これに基づき、カルマパ3世は自身の他に、もう一人の生まれ変わりを探し求めました。そして、タクパ・サンギェーを見出し、彼に赤いルビーが埋め込まれた宝冠を授けました。この宝冠の授与は、カルマパとシャマルパが不可分の存在であることを象徴しています。

この宝冠は紅冠（こうかん）、または紅帽（こうぼう）と呼ばれています。その由来は、『劫波経』に説かれる「六道の有情の衆生を救う赤い帽子をかぶった大菩薩が現れる」という記述に根拠を求めています。

シャマルパの意義

シャマルパは、カルマパと並び、カギュ派において重要な役割を果たしてきました。その存在は、転生を通じて仏教の教えを広め、多くの人々に慈悲と智慧を届けることを目的としています。紅冠を授けられたシャマルパは、カルマパと一体でありながら、独自の役割を担い、チベット仏教の発展に貢献してきたのです。

シャマルパの転生は、単なる個人の生まれ変わりではなく、仏教の教えを具現化し、人々に希望を与える象徴的な存在として、今もなお信仰を集めています。

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