シャマル (競走馬)

シャマルは2018年2月23日に生まれた日本の競走馬です。その名はペルシャ湾岸地域に吹く風に由来しています。ダート路線で短距離からマイルまで幅広く活躍し、特に黒船賞の3連覇やかしわ記念の連覇といった偉業を達成しました。

3歳となった2021年、3月13日に阪神競馬場の未勝利戦でデビューしましたが、結果は12着に終わりました。その後約4ヶ月の休養を経て、7月25日の新潟競馬場での未勝利戦に出走。スタート直後から好位につけると、最後の直線では後続との差を広げ、待望の初勝利を挙げました。

初勝利後も新潟でレースを続け、8月8日の1勝クラスでは圧倒的な1番人気に応え、スタートから終始先行する形で後続に5馬身差をつける圧勝で連勝を飾りました。さらに8月28日の岩室温泉特別（2勝クラス）では、道中好位で運び、先行するライバルとの競り合いを制して快勝。見事3連勝を果たし、その素質を高く評価されました。

4歳を迎えた2022年、初戦の伊賀ステークス（3勝クラス）は6着に敗れましたが、続く橿原ステークス（3勝クラス）で2着と好走。そして4月3日のなにわステークス（3勝クラス）では単勝1.9倍の支持を集め、危なげなく勝利。オープンクラスへの昇級を果たしました。

オープン昇級初戦として選ばれたのは、4月20日に大井競馬場で行われた東京スプリントでした。初めての地方遠征、ナイター競馬、そして格上挑戦という条件でしたが、レースでは好位から直線で抜け出し、GI馬を含むライバルたちとの接戦を鼻差制して優勝。重賞初挑戦でのタイトル獲得という快挙を成し遂げました。この勝利は、鞍上の川須栄彦騎手にとっても7年ぶりの重賞制覇となりました。

その後、さきたま杯では3着に敗れましたが、夏の佐賀競馬場でのサマーチャンピオンでは不良馬場をものともせず先行抜け出しで勝利。ダートグレード競走2勝目を挙げました。さらに続く浦和競馬場のテレ玉杯オーバルスプリントでも単勝1.9倍の支持に応え、直線で後続を突き放し優勝。ダートグレード競走3連勝を達成しました。

秋にはJpnIのマイルチャンピオンシップ南部杯に初挑戦。距離延長かつ初のマイル戦でしたが、強豪相手に引けを取らない走りを見せ、メンバー中最速の上がりで追い込み3着と健闘しました。この経験を活かし、JRAのGIチャンピオンズカップにも挑戦。キャリア最長の1800メートル戦で先行集団につけ、5着と掲示板を確保しました。年末の兵庫ゴールドトロフィーでは1番人気に推されましたが、惜しくも2着に敗れ、4歳シーズンを終えました。

5歳となった2023年は、高知競馬場の黒船賞から始動。圧倒的な1番人気に応え、先行から抜け出す盤石のレース運びで快勝し、重賞4勝目を挙げました。しかし、続くかしわ記念では4着、さらにさきたま杯ではスタートでの出遅れから競走中止となるアクシデントに見舞われました。診断の結果、右後肢のハ行が判明。復帰を目指すも、プロキオンステークスでも今度は右前肢のハ行で競走除外となり、長期休養に入ることとなりました。

約半年間の休養を経て、6歳となった2024年に根岸ステークスで復帰。復帰後2戦は着順に恵まれませんでしたが、連覇がかかる黒船賞では積極的にハナを奪う逃げの戦法に出て勝利。約1年ぶりの勝利を飾りました。そして、黒船賞に続きかしわ記念に出走。スタートから先頭を譲らず逃げると、そのまま押し切り後続の追撃を封じて完勝。念願のJpnI初制覇を果たしました。この勝利は、川須栄彦騎手にとってもデビュー15年目でのGI級競走初勝利となり、父スマートファルコンにとっても産駒初のGI級競走制覇となりました。

勢いは止まらず、7歳シーズンの2025年には黒船賞で史上初となる3連覇を達成。さらに、かしわ記念も連覇を果たし、ダート界のトップホースとしての地位を確固たるものにしました。

シャマルの血統背景を見ると、曾祖母マジックコードはカナダで最優秀古馬牝馬に選ばれた実績を持ちます。祖母クラックコードの半姉シークレットコードは2005年の阪神ジュベナイルフィリーズで2着、半妹パールコードも2016年の秋華賞で2着に入っており、その産駒であるアートハウスは2022年ローズステークス、2023年愛知杯の勝ち馬となるなど、優秀な牝系に繋がっています。

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