マイルチャンピオンシップ南部杯

マイルチャンピオンシップ南部杯の概要

マイルチャンピオンシップ南部杯（以下、南部杯）は、岩手県競馬組合が盛岡競馬場で開催する地方競馬の重賞競走です。このレースはJpnIに分類されており、ダートグレード競走としての重要な位置を占めています。南部杯は毎年、農林水産大臣が提供する賞が与えられ、JBC競走に向けたトライアルレースとして位置づけられています。正式名称は「農林水産大臣賞典 マイルチャンピオンシップ南部杯〔Road to JBC〕」ですが、一般的には南部杯あるいはマイルCS南部杯、マイル南部杯、MCS南部杯などと呼ばれています。

南部杯は日本国内で常設のGI・JpnI競走の中で、唯一三大都市圏以外で開催されるレースであり、地方競馬の中でも特別な意味を持つイベントです。この競走名の由来は、江戸時代に盛岡藩を治めていた南部氏に由来し、この名称については南部家の当主からの了承を得ています。表彰式には毎年南部家の当主が出席し、優勝馬に南部杯を授与します。

歴史と成り立ち

南部杯は1988年に創設され、最初は「北日本マイルチャンピオンシップ南部杯」として水沢競馬場で施行されました。このレースは当初、北日本地区の交流競走として設けられ、地方競馬の北日本地区内でのマイル最強馬を決定する大会でした。1995年には中央競馬との全国交流が始まり、レース名は「マイルチャンピオンシップ南部杯」に変更されました。これにより、中央競馬所属馬や北日本地区以外の地方所属馬も出走可能となりました。

1996年からは盛岡競馬場に施行場所が変更され、1997年にはダートグレード競走のGIに格付けされ、日本の秋に行われるダート競走の中で最も権威のあるレースとして確立されました。2002年以降は「Road to JBC」としての役割を果たし、優勝馬にはジャパンブリーディングファームズカップに出走するための優先出走権が与えられています。

コースとファンファーレ

南部杯の発走時には、岩手競馬専用のファンファーレが使用されており、2007年には新しいファンファーレが導入されましたが、2009年には再び従来のファンファーレに戻されています。また、2011年には特例として東京競馬場で開催され、JRA主催のもとで施行されました。この際も盛岡競馬場で使用されているファンファーレが奏でられました。

2024年のレース概要

2024年の南部杯ではサラブレッド系の3歳以上の馬が出走条件となり、フルゲートは16頭。中央競馬所属馬の出走枠は7頭です。負担重量は3歳が55kg、4歳以上が57kg、牝馬には2kgの減量があります。2024年の賞金は、1着が7,500万円、2着が2,625万円、3着が1,600万円となっており、着外手当として37.5万円が支給されます。また、選手層の厚さを反映し、優勝馬にはJBCクラシックとJBCスプリントの優先出走権が付与されることも魅力の一つです。

過去の賞金額と変遷

1995年以降の南部杯における賞金は、時代とともに変化しており、1997年にはGIに格付けされた際に大幅に引き上げられ、さらに2008年からは3度の賞金見直しが実施されました。最近では2023年に1着賞金が7,000万円に増額され、また2024年には7,500万円となる予定です。これにより、レースの魅力や競走馬に対する期待も増すことでしょう。

南部杯はその歴史と伝統、競馬ファンに愛される特別なレースです。今後も多くの競走馬たちがこの舞台で激闘を繰り広げることでしょう。

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