シャルトリューズ

シャルトリューズ：神秘的な薬草リキュールの魅力

シャルトリューズは、フランスを代表する薬草系リキュールであり、「リキュールの女王」とも称えられています。その独特な風味は、カルトジオ会の修道士によって受け継がれてきた秘伝の製法によって生み出されています。

歴史

シャルトリューズの起源は17世紀初頭に遡ります。1605年、フランソワ・アンニバル・デストレがカルトジオ会に処方箋を伝えたという説や、ヴォワロンのジェローム・モベークが製法を編み出したという説があります。1735年にグランド・シャルトルーズ修道院に製法が伝わり、当初は薬用として用いられていました。

フランス革命の際には修道院が閉鎖され、製法は一時失われかけましたが、修道士たちは秘伝の写本を託し、その後、1835年に製造が再開されました。20世紀初頭の政教分離により、修道士たちはスペインへの移住を余儀なくされましたが、その後フランスに戻り、最終的にヴォワロンで製造を再開し、現在に至っています。

製法

シャルトリューズの製法は厳密に秘匿されており、シャルトルーズ修道院の修道士3名のみが知るとされています。ブランデーをベースに、アンゼリカ、シナモン、ナツメグなど130種類ものハーブが使用され、オーク樽で熟成されます。5回の浸漬と4回の蒸留を経て、独特の風味が生まれます。

製造工程は、まず約40名の修道士がハーブの調合を行い、その後、秘伝を知る数名の修道士が最終的なブレンドを行います。熟成期間は最低でも3年、特別なVEPと呼ばれる銘柄は12年以上熟成されます。

種類

シャルトリューズには、主に以下の種類があります。

ヴェール（緑）：スパイシーでハーブの香りが豊か。アルコール度数55度。
ジョーヌ（黄）：蜂蜜のような甘味が強く、まろやかな味わい。アルコール度数40度。
ヴェールVEP、ジョーヌVEP：ヴェール、ジョーヌを大樽で12年以上熟成させた高級品。アルコール度数はヴェールが54度、ジョーヌが42度。
エリクシル・ヴェジェタル（植物の霊薬の意）：原初の製法に近い処方で作られ、甘味が弱く、ハーブの香りが強い。アルコール度数71度。スプーンに砂糖を浸して飲むのが一般的。
ナインス・センティネアー：シャルトリューズ修道院創設900周年を記念して作られた、ヴェールとジョーヌの中間的な味わい。アルコール度数47度。
エピスコ・パレ (EPISCOPALE)：限定生産品で、ヴェールとジョーヌをブレンドしたもの。アルコール度数45度。
* 1605：シャルトリューズの最初の処方箋作成400周年を記念して作られた、エリクシル・ヴェジェタルとヴェールの中間的な味わい。アルコール度数56度。

楽しみ方

シャルトリューズは、ストレートでその風味をじっくりと味わうのが一般的ですが、カクテルの材料としても幅広く用いられています。独特の香りと風味が、カクテルに深みと複雑さを与えます。

まとめ

シャルトリューズは、その長い歴史と秘伝の製法によって、世界中で愛されるリキュールとなりました。その豊かな香りと複雑な味わいは、飲む人を魅了し、特別な時間を与えてくれます。

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