シャルル・ダングレーム (オルレアン公)

シャルル・ダングレーム（1522年1月22日 - 1545年9月9日）は、フランス国王フランソワ1世と王妃クロード・ド・フランスの間に生まれた三男であり、後のアンリ2世の弟にあたります。彼はオルレアン公およびアングレーム公の称号を有し、母方の曾祖父であるオルレアン公シャルル1世と区別するために、オルレアン公シャルル2世、シャルル2世・ドルレアン、あるいは単にシャルル・ドルレアンと呼ばれることもありました。

生涯

シャルルは、兄たちの運命によって、予期せぬ形で重要な地位を担うことになりました。もともとオルレアン公位は次兄のアンリが有していましたが、長兄でありブルターニュ公および王太子（ドーファン）であったフランソワが早世したため、アンリが王太子としての地位を継承しました。これに伴い、シャルルが代わりにオルレアン公に叙任されることとなったのです。

当時のヨーロッパは、イタリアを巡るフランスと神聖ローマ帝国の対立、すなわちイタリア戦争の時代でした。シャルルは、この戦争の和平交渉において、政略結婚の道具として利用される可能性がありました。神聖ローマ皇帝兼スペイン王であるカール5世の娘マリアや、カールの弟でローマ王（のち神聖ローマ皇帝）となるフェルディナント1世の娘アンナとの縁談が持ち上がりましたが、いずれも実現には至りませんでした。これらの縁談は、ヨーロッパの勢力均衡を考慮したものであり、シャルルの出自が外交交渉の重要な要素となっていたことを示しています。

しかし、シャルルは1545年9月9日に、23歳という若さで病死しました。彼の死は、フランス王室にとって痛手であり、ヨーロッパの政治情勢にも少なからぬ影響を与えたと考えられます。もし彼が長生きしていれば、フランスの歴史は大きく変わっていたかもしれません。

シャルル・ダングレームは、若くして亡くなったものの、フランス王室の一員として、またオルレアン公として、その短い生涯の中で重要な役割を果たしました。彼の人生は、当時のヨーロッパの政治情勢、王室の権力闘争、そして個人の運命が複雑に絡み合っていたことを物語っています。

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