シャルル・ド・ヴァロワ (アングレーム公)

シャルル・ド・ヴァロワについての詳細

シャルル・ド・ヴァロワ（1573年4月28日 - 1650年9月24日）は、フランスの王シャルル9世とその愛人マリー・トゥシェの間に生まれた庶子です。彼はオーヴェルニュ伯、アングレーム公として知られ、歴史的な回想録の作家でもあります。彼の人生は、フランスの歴史において重要な役割を果たしました。彼は多くの困難な状況に直面しつつも、高い地位を得ていきました。

生い立ちと初期の教育

シャルルはフランスのドーフィネ地方にあるファイエ城で生まれました。父のシャルル9世は彼が1歳のときに亡くなり、残された遺族は彼を支えました。特に彼の弟、アンリ3世は、シャルルの世話をし、彼の成長を見守りました。シャルルは、著名な教育を受け、マルタ騎士団に入団して彼の能力を磨きました。

軍人としてのキャリア

1588年、シャルルが騎士団のフランス大修道院長に任じられると、彼は華々しい軍事キャリアを歩み始めます。特に、彼はアンリ4世の下で騎馬隊大佐として任命され、イヴリーの戦いでは軍を指揮しました。彼の戦略とリーダーシップは、フランス軍において評価されました。

しかし、1610年にはサヴォイア公らと共に反逆行為に関与し、投獄される危険にさらされます。この事件は彼の人生における重要な転機であり、彼は辛くも釈放されました。

陰謀と投獄

続いてシャルルは、スペイン王フェリペ3世の宮廷との新たな陰謀に関与しました。1604年、彼と皮肉にも陰謀を共にしていた仲間たちは逮捕され、シャルルは無期懲役に減刑されるまで、バスティーユに11年間も囚われることになりました。この期間、彼に対する支援の手を差し伸べたのは彼の家族でした。

軍事と政治の実績

彼がバスティーユから解放された後、シャルルは士族軍の指揮を執り、特に1635年の三十年戦争ではフランス軍の将軍として活躍しました。1636年には陸軍中将に昇進し、その名声は広まりました。彼の政治的才覚と軍事的才能は、フランスに貢献するものでした。

文学活動

さらに、シャルルは著作活動にも従事し、特に『回顧録』は彼の実体験をもとにフランスの歴史を記録したものであり、歴史的価値があります。彼の著作は、彼の生きた時代の複雑な状況を映し出しています。

婚姻と家庭

1591年、シャルルはマルタ騎士団の誓いを放棄し、元帥となったアンリ・ド・モンモランシーの娘シャルロットと結婚しました。二人の間には、アングレーム公ヘンリ、ルイ＝エマニュエル、フランソワの三人の子どもが生まれました。シャルロットは1636年に他界し、その後フランソワーズ・ド・ナルボンヌと再婚しましたが、子供は生まれませんでした。

晩年

1643年、彼はリシュリューの死後、公的生活から引退したと考えられています。歴史に残る多くの足跡を残したシャルルは、1650年9月24日に84歳で死去しました。その生涯は、王族としての地位だけでなく、軍人や作家としての多面的な活動を通じてフランスの歴史に名を刻みました。彼の生涯は、波乱に富んだフランスの歴史の中で極めて重要な部分を占めているのです。

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