シャルンホルスト (装甲巡洋艦)

シャルンホルスト (SMS Scharnhorst)の概要

シャルンホルストは、第一次世界大戦において活躍したドイツ帝国海軍の装甲巡洋艦であり、シャルンホルスト級の第一艦に位置付けられています。この艦は、プロイセンの著名な将軍ゲルハルト・フォン・シャルンホルストにちなんで名付けられました。

艦歴

シャルンホルストは1905年1月3日にハンブルクのブローム・ウント・フォス社で起工し、1907年10月24日に竣工しました。また、1912年には明治天皇の大喪の礼の際、ヴィルヘルム2世の名代としてハインリヒ親王の御召艦として日本に派遣されました。親王を乗せた艦は、神戸港に入港し、当時の国際親善を象徴する役割を果たしました。

艦は、護衛艦と共に横浜港にも寄港し、さまざまな国の軍艦との礼砲交換などが行われました。この時期、シャルンホルストは優雅な姿で国際的な舞台に姿を現しました。この一連の訪問は、日本とドイツ間の外交関係を深める機会となり、艦はその役割を的確に果たしました。

第一次世界大戦

第一次世界大戦が始まると、シャルンホルストはマクシミリアン・フォン・シュペー中将が指揮する東アジア巡洋艦戦隊の旗艦として機能しました。この戦隊には姉妹艦のグナイゼナウや軽巡洋艦のドレスデン、ニュルンベルク、ライプツィヒが所属していましたが、初期には各艦が異なる場所に散在していました。

戦争開始に伴い、シャルンホルストは太平洋巡航に出発しましたが、戦況の悪化を受けて7月からポナペ島に留まることになりました。8月から9月にかけて、艦は様々な作戦を遂行しました。特に9月22日にはフランスの砲艦を沈めるなど、ドイツ艦隊は数々の勝利を収めました。

しかし、1914年の年末にかけて運命は厳しく、12月8日にフォークランド沖での海戦において、シャルンホルストは敵艦艇の攻撃に遭い沈没してしまいました。これにより、艦の乗員は全て命を落とし、一艦が歴史の舞台から姿を消しました。

沈没船の発見

シャルンホルストの沈没後、長い間その行方は不明でしたが、2014年からMensun Boundの研究チームが調査を開始しました。2019年12月、彼らは調査船Seabed Constructorを用いて沈没船の発見に成功しました。シャルンホルストはフォークランド南東約98海里、約1,610メートルの深さで直立した状態で発見され、周囲は破壊されているものの、船体は比較的良好な状態で残っていることが確認されました。

この発見は、歴史の中で大きな役割を果たした艦の姿を知る手がかりとなり、今後の艦船研究に寄与することでしょう。

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