シャントレギュレータ

シャントレギュレータの概要

シャントレギュレータは、一定の電圧を維持するための電圧レギュレータの一種です。主に、リファレンス電圧を生成するためや、電圧降下を制御するための抵抗器とともに使用されます。このデバイスは、特に基準電圧供給源としての役割を果たすことが多く、そのため「シャント電圧リファレンス」とも呼ばれています。広く使われている製品には、テキサス・インスツルメンツのTL431やナショナルセミコンダクターのLM385などがあります。

シャントレギュレータの仕組み

シャントレギュレータの基本的な動作は、エラーアンプを用いて、外部基準電圧と内部基準電圧を比較することから始まります。外部の基準電圧は、電源とグランドから得られる抵抗分圧から生成されます。エラーアンプは、この外部基準電圧を監視し、負荷の変動に応じて出力を調整するために作用します。

レギュレータ内部の固定基準電圧とエラーアンプが比較し、必要に応じて負荷と並列に接続されたシャントトランジスタの電流を加減します。電源に直列に接続されている抵抗器は、出力電流の調整によって発生する電圧降下を利用して出力電圧を安定させます。エラーアンプの出力がトランジスタのベースに接続され、これによってトランジスタの挙動を制御します。

出力電圧と外部基準電圧との関係により、もし出力電圧が内部基準電圧よりも下がると、エラーアンプがその差を感知し、トランジスタが調整されてコレクタ電流が変化します。逆に、外部基準電圧が内部基準電圧を上回れば、エラーアンプはトランジスタの出力を増加させます。これにより、常に同じ電流が抵抗器を流れ、その結果電圧が安定します。

シャントレギュレータは、通常、アノード、カソード、リファレンスの3端子を持つトランジスタに似た形状をしており、内部設計によってもその動作は異なります。リファレンス端子を分圧点、アノードをプラス電源、カソードをグランドに接続し、負荷はアノードとカソード間に接続します。特定の設定では出力電圧が固定される場合があり、この場合リファレンス端子は存在しません。

長所と短所

シャントレギュレータの主な利点は、出力電圧の精度が高いことです。この特性があるため、基準電圧源としてしばしば利用されます。しかし、最大負荷時と比較して無負荷時でも同様の電流が流れるため、電源回路としての効率が悪くなります。このため、大電流を処理する用途には適していません。

それでも、シャントレギュレータは電源に対する負荷を維持することで電圧を安定させる能力に優れたデバイスです。負荷からの電圧印加へのある程度の対応も可能で、さまざまな分野で重宝されています。

参考文献

• - ルネサスエレクトロニクス シャント・レギュレータ
• - ナショナルセミコンダクター LM285/385 データシート

関連項目

• - ツェナーダイオード
• - シリーズレギュレータ
• - スイッチング電源

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