シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件

シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件：伝説のクソゲー？

1986年12月11日にトーワチキから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト『シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』。
アーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを題材にしたアクションアドベンチャーゲームとして、ホームズシリーズ誕生100周年を記念して発売されました。

ゲーム概要

プレイヤーはシャーロック・ホームズとなり、アップル伯爵から依頼を受け、誘拐されたマーガレット令嬢を救出するため、イギリス各地を舞台に犯罪組織パパイヤ団と戦います。

ストーリー

アップル伯爵からの依頼を受け、誘拐されたマーガレット令嬢を救出するため、イギリス各地を舞台に犯罪組織パパイヤ団と戦います。

伝説の誤植と不親切設計

このゲームを語る上で欠かせないのが、説明書の誤記です。
「IIコントローラーは使用しません」と書かれているにもかかわらず、ゲームクリアにはIIコントローラーが必須という致命的なミス。

しかも、ゲーム中にはコントローラーに関する情報はあるものの、IIコントローラーが必要とは明示されていません。IIコントローラーの操作もノーヒントという不親切さです。

その他にも、

コンテニューモードの再開方法、セーブ方法が説明書と別の紙に記載
鍵の所持数は10個まで、ピストルの弾丸は60個までなのに、説明書には63個までと記載

など、誤記や説明不足が目立ちます。

舞台となる都市

ロンドン
バーミンガム
マンチェスター
リバプール
ニューカッスル
ブリストル
エジンバラ
グラスゴー

入手可能なアイテム

虫眼鏡：特定の場所で使うと情報が得られる
ランプ
パイプ
バイオリン
手帳
薬
ナイフ
ピストル
鍵
弾
タバコの葉

キャラクター

ホームズ：プレイヤーキャラクター。主にキックで戦う
ワトソン：ロンドンの家にいる。ホームズの体力を回復してくれる

評価

ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は13.53点（満30点）と低評価。

ゲーム本『仰天B級ゲームの逆襲』では、「ホームズがひたすら人々を殺しまくる一大殺戮ゲーム」「マップモードのせいで出てくる人間がすべて敵」「相手を殺さない限り会話ができない」と酷評されています。

クソゲーと揶揄される理由

説明不足で、何をすれば良いか分からない
初期状態で虫眼鏡を持っていない
原作とはかけ離れたバイオレンスアクション
被ダメージ時の無敵時間がない
一般市民にしか見えない敵を倒してお金や情報を稼ぐ
アイテムの価格が高額
役に立たない情報や意味不明なテキストが多い
総当たりでオブジェクトを調べる必要がある
依頼主のアップル伯爵や誘拐されたマーガレット嬢がほとんど登場しない

関連作品

エルナークの財宝（1987年）：本作と類似した欠点を持つ
名探偵ホームズ 霧のロンドン殺人事件（1988年）：純粋な推理アドベンチャーゲーム
* 名探偵ホームズ Mからの挑戦状（1989年）：純粋な推理アドベンチャーゲーム

『シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』は、原作ファンにとっては残念な作品かもしれませんが、その独特なゲーム性と数々の問題点から、ある意味で伝説的なゲームとして語り継がれています。

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