エルナークの財宝

『エルナークの財宝』は、1987年8月10日にトーワチキから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフトです。

概要

本作は、謎解き要素を盛り込んだ見下ろし型のアクションゲームです。プレイヤーは主人公となり、ナイフなどの武器を駆使して敵を倒しながら、消息を絶った友人ジョー・クロサワと伝説の財宝を求めて冒険を繰り広げます。

しかし、その最大の特徴は、非常に難解な謎解きです。ヒントが乏しく、論理的な思考だけでは解決できない場面も多く存在します。さらに、発売当時は攻略本も存在せず、プレイヤーは手探りで攻略法を探すしかありませんでした。そのため、長らくの間、ゲームクリアは困難であるとされてきました。攻略情報が広まったのは発売から10年以上後のことでした。

ゲーム内容

操作はシンプルで、十字キーで主人公を上下左右に移動させ（斜め移動はできません）、Aボタンで攻撃、Bボタンでステージ内のオブジェクトからヒントを探します。これらのヒントを基に謎を解き、新たな道を開拓していくのがゲームの流れです。

敵キャラクターは画面端から出現し、主人公とは異なり、自由自在に移動します。攻撃は主人公のいる方向へ発射されますが、若干ずれた位置に飛んでくるため、回避は容易ではありません。的確な状況判断と素早い操作が求められます。

画面上には体力ゲージに加えて「性格ゲージ」が表示されます。このゲージは、道中で取得するアイテムによって「ライト（Ｌ）」または「ダーク（Ｄ）」のいずれかに傾きます。ゲームの説明書では「ダークサイドの方が強い」と明記されており、ゲージの状態がゲームの進行に影響を与えることが示唆されています。

登場人物

主人公

プレイヤーの分身であり、友人思いの正義感あふれる人物。親友ジョーからの手紙を受け取り、彼が待つというモレイの遺跡へと旅立ちます。
ジョー・クロサワ

主人公の親友であるトレジャーハンター。エルナークの財宝を求めて南米ラデアを訪れますが、ネクロミアの神殿へ向かう前夜に主人公へ助けを求める手紙を送ります。
* 謎の少女

主人公がラデアに到着した際、「聖なる石」を渡してくれる謎の少女。ゲームのタイトル画面でしばらく放置していると表示されるプロローグにのみ登場します。主人公の目的を知っており、「闇の勢力を滅ぼさねばあなたの友達を助けることはできません」と告げます。また、主人公の行く手を阻む岩や木、柱などに謎を解くためのヒントが隠されていることや、「性格ゲージ」の仕様、アイテムの効果などを教えてくれます。

攻略法発見に至る経緯

発売から13年後の2000年冬、ついにファンがゲームのクリアに成功しました。この快挙は、テレビ東京系の番組「GameWave」でも紹介され、大きな話題となりました。

クリアに成功した人物によると、プロローグで謎の少女が教えてくれるアイテムの効果に誤った情報が含まれていること、画面に表示される目盛りの数字に重要な要素が隠されていることが、長らくクリアできなかった原因であるとのことです。テレビ東京で紹介された際には、目盛りの件はバグのように扱われました。また、彼よりも前にエンディング画面をウェブサイトに掲載した人物がいたものの、最終面の攻略法が記載されていなかったため、正規の方法でクリアしたのかは不明であると述べています。

一部で、「説明書に『天使の描かれたレリーフみたいなアイテムを取ると属性が8目盛りライトに近づく』という誤情報が記載されている」という情報が出回っていましたが、実際にはそのような記述は存在しません。これは、トーワチキが前年に発売した『シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』の説明書に致命的な誤情報があったため、それと混同された可能性が高いと考えられます。

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