シュフラン (重巡洋艦)

シュフラン：フランス海軍重巡洋艦の激動の生涯

シュフラン(Suffren)は、フランス海軍が保有した重巡洋艦です。その艦名は、18世紀後半にイギリス海軍を相手にインド洋で活躍したフランス海軍の英雄、ピエール＝アンドレ・ド・シュフラン提督に由来しています。本稿では、シュフランの艦歴を詳細にたどり、その激動の人生を紐解いていきます。

就役から第二次世界大戦へ

就役後、シュフランは地中海で活動を開始しました。しかし、1939年春にはインドシナ方面へと派遣され、同海域で活動していたプリモゲと交代。1940年5月までインド洋での任務に就きました。第二次世界大戦が始まると、シュフランはデュケーヌ、トゥールヴィユ、デュゲィ・トルーアンといった他のフランス艦艇と共に、イタリア海軍の動きを警戒し南大西洋で活動。1940年6月には超弩級戦艦ロレーヌと共にアレキサンドリアに停泊していました。フランスの降伏後、同年7月には武装解除に応じましたが、7月13日には自由フランス海軍に所属変更し、活動を再開しました。

戦後の活躍と近代化改修

1943年には近代化改修が行われ、雷装と航空施設、後部マストが撤去され、前部マストにレーダーが装備されました。対空火器も強化され、その後の戦闘能力向上に貢献しました。改修後、1943年5月から1944年にかけては、ドイツ海軍の封鎖突破船に対する哨戒任務に就きました。1945年、カサブランカで整備中に第二次世界大戦が終結を迎えます。

戦後から除籍まで

戦後、シュフランは1946年から第一次インドシナ戦争に参加し、輸送船団の護衛任務に従事しました。長年の活躍ののち、1962年12月に除籍。その後、1964年には宿泊艦「オセアン」として再利用されましたが、1974年には解体業者の手に渡り、スクラップとしてその生涯を終えました。

シュフランが残した足跡

シュフランは、その艦歴を通して、フランス海軍の歴史に大きな足跡を残しました。地中海、インド洋、大西洋と様々な海域で活動し、第二次世界大戦やインドシナ戦争といった歴史的出来事にも関与しています。その活躍は、多くの文献や資料によって記録されており、現代においてもフランス海軍の歴史を語る上で欠かせない存在となっています。シュフランは単なる軍艦ではなく、一つの時代を象徴する存在として、人々の記憶に刻まれています。

参考資料

「世界の艦船 増刊第50集 フランス巡洋艦史」（海人社）
「世界の艦船 1986年1月増刊号 近代巡洋艦史」（海人社）
「世界の艦船 2010年1月増刊号 近代巡洋艦史」（海人社）
「世界の重巡洋艦パーフェクトガイド」（学習研究社）
「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」（Conway）
「Conway All The World's Fightingships 1906-1922」（Conway）

関連情報

フランス海軍艦艇一覧
Suffren Class - French warships of WW2 (スペックと艦形図)}

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