シュフラン級原子力潜水艦

シュフラン級原子力潜水艦

シュフラン級原子力潜水艦（Classe Suffren）は、フランス海軍の攻撃型潜水艦として計画されています。この艦級は、既存のリュビ級原子力潜水艦を置き換えるために設計され、DCNS（現在のナヴァル・グループ）によって開発されました。シュフラン級は、初期にはバラクーダ型という名称が用いられていました。

特徴

シュフラン級には、ル・トリオンファン級原子力潜水艦で得た技術が活用されており、特にポンプジェット推進方式が採用される予定です。この技術により、潜水艦の静音性が大幅に向上し、高い機動性を実現しています。さらに、魚雷発射管から発射できる長距離巡航ミサイル（MdCN）を搭載する計画もあります。

また、船尾にはX舵と呼ばれる新しい舵が装備され、航行性能の向上が図られています。リュビ級の比べて、排水量がほぼ倍増しており、より大きなサイズでの運用が可能です。このように、シュフラン級は最新技術をふんだんに取り入れた高性能潜水艦となることが期待されています。

2006年12月12日、フランス政府はシュフラン級潜水艦を6隻建造するために79億ユーロを計上しました。この資金は、船体を制作するDCNSおよび原子力機関を建造するAreva-Technicatomeに分配される予定です。さらに、DGA（フランス国防装備庁）は外国企業の入札参加を初めて受け入れると発表しています。

就役の遅れ

1番艦となるシュフランは2016年に就役予定でしたが、実際に竣工式を迎えたのは2019年7月となり、その後の引渡しは2020年11月7日、正式な就役は2022年6月に行われました。計画の監督者であるAlain Aupetitによると、1番艦と2番艦の間には2年半の猶予が設けられ、その後は2年ごとの就役が見込まれています。最終艦は2026年に就役する予定です。

艦名は、1番艦が「シュフラン」、続いて「デュゲイ＝トルーアン」、「デュプティ＝トゥアール」、「デュケーヌ」、「トゥールヴィル」、「ド・グラース」が予定されていますが、2番艦以降の具体的な順序はまだ確定していません。

通常動力型潜水艦ブロック1A

また、フランスではシュフラン級を通常動力型に改良した「シュフラン級ブロック1A」が提案され、オーストラリアのコリンズ級潜水艦更新計画において採用が決まったこともあります。競合にはドイツの216型や日本のそうりゅう型があり、提案時点でシュフラン級ブロック1Aは選定されるまで多くの議論を呼びました。当初の契約額は500億オーストラリアドルでしたが、2019年末時点では800億オーストラリアドルにまで膨れ上がっているとされます。

しかし、その後のアメリカ、イギリス、オーストラリアによるAUKUSの設立に伴い、オーストラリアに対して原子力潜水艦の技術が供与されることが決まり、シュフラン級の通常動力型導入計画は中止される見込みが高まっています。このような状況から、シュフラン級の開発計画には今後多くの課題が残されています。

結論

シュフラン級原子力潜水艦は、最新鋭の技術を集約した潜水艦としてフランス海軍の重要な戦力となることが期待されていますが、導入計画にはさまざまな課題が存在しています。建造の進捗状況や国際的な影響を見守る必要があります。

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