シュペルエタンダール
シュペルエタンダール（Super Étendard）
フランスのダッソー・ブレゲー社が手掛けた遷音速の艦上攻撃機、シュペルエタンダールは、1978年からフランス海軍およびアルゼンチン海軍で運用されました。この機体は総生産機数85機を誇り、特に1982年のフォークランド紛争においてはその性能が大きく評価されました。
来歴
シュペルエタンダールの開発は1960年代に遡ります。当時、フランス海軍は古くなった艦上機を運用しており、後継機の必要性が高まっていました。しかし、予算の制約から同時に全ての機体を更新することは困難とされ、まず艦上攻撃機の更新が急務とされました。
当初、SEPECATジャギュアの艦載型が候補に挙げられましたが、その運用に関する問題から却下。かわりに、ダッソー社が提案したエタンダールIV-Mの発展型が最終的に選ばれました。1974年には試作機が初飛行し、1978年には量産が開始される運びとなりました。
機体構成
シュペルエタンダールは70%がエタンダールIV-Mと共通の機体設計を持っており、主翼の設計が改善されています。高揚力装置の改良により、低速での安定性が向上し、発着艦時の性能も向上しました。エンジンにはスネクマのアター 8K-50を採用し、強力な動力源となっていますが、空母からの発艦方法に制約があることが課題となりました。
また、アビオニクスシステムも大幅にアップグレードされ、レーダーや攻撃システムが強化されており、夜間作戦にも対応する能力があります。さらに、1986年からの近代化改修により、核弾頭を搭載可能なミサイル運用能力を持つようになりました。
運用史
シュペルエタンダールは、1983年のレバノンでのフランス平和維持軍任務で初めての実戦に投入されました。フランス海軍はこの機体を主力として使用し、その後、新しいラファールMへの更新が進むまで活躍し続けました。アルゼンチン海軍でも14機が運用され、特にフォークランド紛争ではエグゾセ空対艦ミサイルを使用して多くの被害を与え、名を馳せました。イラク空軍にも一時的に5機が貸与され、イランに対する攻撃に利用されました。
諸元
まとめ
シュペルエタンダールは、その設計から武装、運用に至るまで高い柔軟性と性能を誇る艦上攻撃機であり、長年にわたり多くの海軍で活躍しました。特にその戦歴における名声から、現代でも多くの航空愛好者にその名が知られています。後継機のラファールMに移行するまで、シュペルエタンダールはフランス海軍の重要な戦力としてその地位を確立しました。
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