シュマルカルデン条項

シュマルカルデン条項

シュマルカルデン条項（ドイツ語: Schmalkaldische Artikel、英語: The Smalcald Articles）は、1537年にマルティン・ルターによって、公会議に提出するために作成された文書です。この文書は、当時の宗教的、政治的な背景の中で、非常に重要な意味を持つものでした。

作成の背景

16世紀初頭、ヨーロッパは宗教改革の嵐の中にありました。マルティン・ルターによる95ヶ条の論題の発表をきっかけに、カトリック教会に対する批判が高まり、各地で新しい信仰運動が起こりました。神聖ローマ帝国内でも、ルター派を支持する領邦や都市が現れ、カトリック教会との対立が深まっていました。

このような状況下で、神聖ローマ皇帝カール5世は、宗教的な対立を解決するために、公会議の開催を計画しました。公会議は、カトリック教会とルター派の代表者が集まり、教義や制度について議論する場となるはずでした。

ルターは、公会議に提出するために、自らの信仰の立場を明確にする必要がありました。そこで、1537年にシュマルカルデン条項を作成しました。

内容

シュマルカルデン条項は、三部構成となっています。

第一部：至高の神に関する記事
第二部：キリストの職務と信仰に関する記事
第三部：以下の項目に関する記事
ミサ
聖人への呼びかけ
修道院と修道誓願
教皇権

ルターは、この条項で、カトリック教会の教義を批判し、自らの信仰の正当性を主張しました。特に、教皇の権威を否定し、聖書のみが信仰の根拠であると強調しました。

シュマルカルデン同盟との関係

シュマルカルデン条項は、公会議で受け入れられることはありませんでしたが、ルター派の領邦や都市が結成したシュマルカルデン同盟の精神的な支柱となりました。シュマルカルデン同盟は、皇帝カール5世に対抗するために結成された軍事同盟であり、シュマルカルデン条項は、同盟の結束を強める役割を果たしました。

歴史的意義

シュマルカルデン条項は、宗教改革の歴史において、非常に重要な意味を持つ文書です。ルターの信仰の立場を明確に示しただけでなく、ルター派の政治的な結束を強める役割も果たしました。この条項は、その後のヨーロッパの宗教的、政治的な動向に大きな影響を与えました。

外部リンク

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