シュロップシャー・スター

シュロップシャー・スター（Shropshire Star）

概要
『シュロップシャー・スター』(Shropshire Star) は、イングランド西部のテルフォードに拠点を置く主要な地方紙の一つです。その配布圏は、中心であるシュロップシャー州全域に加え、ヘレフォードシャー、ウスターシャー、スタッフォードシャー、チェシャー、そしてウェールズの一部地域に及びます。現在の編集人はマーティン・ライト氏です。刊行体制は、平日（月曜日から金曜日）が日に3回、土曜日が1回です。この新聞は、発行開始直後から現在に至るまでグラハム家が一貫して所有しており、現在はミッドランド・ニュース・アソシエーション（MNAメディア）の傘下にあります。MNAメディアは、同じく地方紙である『エクスプレス&スター』も発行しています。

部数と動向
かつてはイギリス国内の地方紙の中でも有数の発行部数を誇っていましたが、近年は減少傾向が見られます。2012年上半期には約5万部（49,751部）に近い発行部数がありましたが、同年下半期には約4万6千部（46,498部）へと減少し、2017年時点では約2万4千部（24,529部）となっています。

歴史と技術革新
『シュロップシャー・スター』は、1964年10月5日に創刊されました。これは、姉妹紙『エクスプレス&スター』が当時発行していたシュロップシャー州向け夕刊（約1万9千部）を引き継ぐ形でのスタートでした。親会社のミッドランド・ニュース・アソシエーションは、後にテルフォードとなるダウリー・ニュータウンの成長に着目し、この地域に情報媒体を提供することで地域経済の発展に貢献できると考えました。創刊初期の革新性として、ヨーロッパの夕刊紙として初めて、オフセット印刷に対応した巻取紙給紙式の高速輪転印刷機を導入したことは特筆されます。印刷と編集機能は、一貫してテルフォードのケトレーに集約されています。

デジタル展開
デジタルメディアへの対応も積極的に進められています。公式サイト「shropshirestar.com」は1997年に開設され、最新ニュースやスポーツ情報に加え、ブログやビデオコンテンツを提供しています。一時期、月間の平均閲覧者実数の伸び率がイギリスの地方紙ウェブサイトの中で2番目に高く、約47万人に達したこともあります。2012年8月には、姉妹サイトと共にレスポンシブウェブデザインに対応したリニューアルを実施。これはイギリスの地方紙として先駆的な取り組みでした。2012年1月にはiPad/iPhone用公式アプリもリリースされ、紙媒体を模したデザインとページめくり機能を備えています。さらに、ウェブサイト上では週刊の関連紙『Chronicle』と『Journal』の記事も無料で閲覧可能です。

著名な関係者
世界的な自動車ジャーナリスト、ジェレミー・クラークソン氏も当紙でキャリアを始めました。彼は後に自身の経験を振り返り、「『シュロップシャー・スター』紙にプジョーやフィアットの記事を書くことから始め、やがてフォード・グラナダやローバーを手がけ、7年後にはアストンマーティン・ラゴンダを試乗することもさせてもらった」と語っています。当紙での経験が、彼のその後の成功の基礎を築いたことが分かります。

版の種類
配布地域に合わせた複数の版を発行しており、「County North」「County South」「Shrewsbury」「Last（テルフォード向け）」などがあります。

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