ショウほど素敵な商売はない

『ショウほど素敵な商売はない』（原題：There's No Business Like Show Business）は、1954年に公開されたアメリカのミュージカル[[映画]]です。ウォルター・ラングが監督を務め、エセル・マーマン、マリリン・モンローなどが出演しています。アーヴィング・バーリンがミュージカル『アニーよ銃をとれ』のために書き下ろした名曲「ショウほど素敵な商売はない」をタイトルに冠し、ショービジネスの世界で生きる家族の姿を描いています。

ストーリー

物語は1930年代のアメリカを舞台に、テレンスとモリー夫妻、そして3人の子供たちからなる「ドナヒュー一家」を中心に展開されます。彼らはボードビリアンとして人気を博し、各地でショーを繰り広げていました。しかし、ある日、長男のスティーヴが突然、芸人を辞めて神父になると告げます。両親はスティーヴを一流の芸人に育て上げた自負があり、彼の決意に大きなショックを受けますが、最終的にはその意思を尊重します。

一方、末っ子のティムはプレイボーイで、両親を何かと心配させてばかりいました。そんなティムは、ナイトクラブでアルバイトをしながら歌手を目指すヴィッキーと出会い、一目で恋に落ちます。ヴィッキーの才能を見出した興行主は、彼女をブロードウェイの舞台に立たせることを決めます。そして、ティムと姉のケイティはヴィッキーと共演することになるのです。

次第に惹かれ合うティムとヴィッキーでしたが、ヴィッキーは仕事に夢中で、ティムとの関係をなかなか深めようとしません。ヴィッキーの態度に不満を募らせたティムは、彼女に「お前は15歳から一人で頑張ってきたから、親の庇護のもとで生きてきた俺の気持ちが分からないんだ」と訴えます。その言葉に腹を立てたティムは、自暴自棄になり事故を起こして入院してしまいます。そしてブロードウェイの舞台初日を迎えられなくなってしまうのです。

ティムの無責任さに父親のテレンスは激怒し、厳しく叱責します。ティムは自分のふがいなさを深く反省し、家族に詫び状を残して姿を消してしまいます。舞台は急遽、母親のモリーがティムの代役を務め、大成功を収めます。しかし、ティムの行方は杳として知れません。テレンスは息子を探す旅に出ますが、その間、自身の芸に対する自信を失ってしまいます。

そんな中、俳優基金の慈善公演当日、ティムが姿を消したのはヴィッキーのせいだと考えていたモリーに、娘のケイティは「ティムの問題であり、ヴィッキーに責任はない」と諭し、二人の仲を取り持ちます。ショーが始まり、モリーがステージに立つ姿を、ケイティとスティーヴは舞台袖から見守ります。するとそこに、ティムが現れます。家族は再会を喜び、ティムは自分の甘さを自覚し、一人で活動していたことを打ち明けます。そして、テレンスも姿を現し、ドナヒュー一家は久しぶりに5人で舞台に立つことになります。さらに、ヴィッキーも加わり、6人で「ショウほど素敵な商売はない」を歌い上げ、物語は感動的なフィナーレを迎えます。

トリビア

マリリン・モンローは、本作への出演を条件に『七年目の浮気』の主演の座を手に入れました。モンローが演じたヴィッキーは、客寄せを目的としたモンローの起用を前提に作られたキャラクターでした。
ドナルド・オコナーと別居中だった妻で女優のグウェン・カーターは、本作の撮影中にオコナーの父を演じたダン・デイリーと交際を始めました。そして撮影終了後にオコナーと正式に離婚すると、すぐにデイリーと再婚しました。
* 撮影期間は1954年5月29日から同年7月8日まででした。

もう一度検索