ショート 330

ショート330 (Short 330)

ショート330は、イギリスのショート社が製造した双発ターボプロップの旅客機で、特にアメリカ軍ではC-23シェルパという名前で知られています。この機体は、ショート社のショート スカイバンの胴体を延長したモデルであり、主にコミューター機として最大30名の乗客を運ぶことができます。

機体の設計と特長

ショート330は、その独特なデザインが目を引きます。主翼は高翼配置で、二つの垂直尾翼に支えられています。機体の胴体は、四角形に近い断面を持ち、垂直尾翼もまた長方形に近い形状です。この設計は、機体構造を簡素化し、結果として製造コストの削減を目指していたのが背景にあります。しかし、より高い性能を求めて、降着装置を引き込み式に改良し、5翅プロペラを採用することで騒音を低減するなどの改良も行われています。

初飛行は1974年8月22日で、1976年にはカナダの航空会社に納入された後、アメリカ軍でも運用されるようになりました。特に、C-23Aシェルパとして陸空軍での運用が行われました。また、ショート330の胴体をさらに延長したショート360も登場し、最大で36名の乗客を収容できるように設計されています。最終的には1992年に生産が終了しました。

主な派生型

ショート330にはいくつかの派生型があります。

• - ショート330-100: 初期量産型で、プラット&ホイットニー・カナダのPT6A-45Aまたは-45Bエンジンを搭載。
• - ショート330-200: 改良型で、PT6A-45Rエンジンを搭載。
• - ショート330UTT: 多目的戦術輸送機型で、空挺降下用のドアを備えています。特にタイにて採用されました。
• - C-23: アメリカ軍が運用するモデルで、愛称としてシェルパが用いられ、胴体後部には大型の貨物扉が設置されています。

機体スペック (ショート330-200)

• - 乗員: 3名
• - 乗客: 30名
• - 全長: 58 ft 0 in (17.69 m)
• - 全幅: 74 ft 9 in (22.78 m)
• - 高さ: 16 ft 3 in (4.95 m)
• - 翼面積: 543 ft² (42.1 m²)
• - 空虚重量: 14,200 lb (6.440 t)
• - 最大離陸重量: 22,900 lb (10.387 t)
• - エンジン: プラット・アンド・ホイットニー カナダ PT6A-45R ターボプロップ 1,198 shp (894 kW) × 2
• - 最大速度: 218 mph (352 km/h)
• - 航続距離: 770 miles (1,239 km)
• - 実用上昇限界: 11,500 ft (3,500 m)
• - 上昇率: 2,100 ft/min (640 m/min)

オペレーター

民間では、主に以下の航空会社により運用されています:

• - Deraya Air Taxi (2機)
• - Freedom Air (グアム) (2機)
• - Emerald Airways (1機)
• - Air Cargo Carriers (12機)
• - Arctic Circle Air Service (1機)
• - Corporate Air (3機)
• - Jim Hankins Air Service (1機)
• - McNeely Charter Service (1機)
• - Mountain Air Cargo (2機)
• - Skyway Enterprises (1機)

一方、軍事用途としては、アメリカ合衆国やタイにおいても広く活用されています。これまでの運用を通じて、ショート330は経済的な空の移動手段として、多くのニーズに応えてきた旅客機であると言えるでしょう。

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