ショーン・リビングストン

ショーン・リビングストン：苦難を乗り越え、ウォリアーズの黄金期を支えた男

ショーン・パトリック・リビングストンは、1985年9月11日生まれ、アメリカ合衆国イリノイ州出身の元プロバスケットボール選手です。ポイントガードとシューティングガードをこなす彼は、NBAで10以上のチームを渡り歩くジャーニーマンでしたが、キャリアの晩年、ゴールデンステート・ウォリアーズで3度のNBAチャンピオンに輝きました。

早すぎる期待と試練のキャリア

高校時代、リビングストンはその才能から「マジック・ジョンソンの再来」とまで呼ばれ、将来を嘱望されていました。デューク大学への進学も内定していましたが、2004年のNBAドラフトにアーリーエントリーを表明し、全体4位でロサンゼルス・クリッパーズに入団します。しかし、NBAの壁は厚く、彼は控え選手としての役割に甘んじることになります。

2006-07シーズン、リビングストンはキャリア最高の成績を残していましたが、2007年2月26日の試合中、レイアップの着地に失敗し、左膝に重傷を負います。[前十字靭帯]、[後十字靭帯]、[内側側副靱帯]の断裂という、選手生命を脅かす大怪我でした。翌シーズンを全休、クリッパーズを去ることになりました。

その後、懸命なリハビリを続けましたが、各チームはリビングストンの膝の状態を危惧し、長期的な契約を躊躇しました。彼はDリーグのチームを含む様々なチームを転々とすることになります。

ブルックリンでの再生、そしてウォリアーズへ

リビングストンの転機となったのは、2013-14シーズン。ブルックリン・ネッツと契約した彼は、ジェイソン・キッドHCにその多様性を買われ、76試合に出場、54試合でスターターとして起用され、チームのプレーオフ進出に貢献しました。

2014年7月12日、リビングストンはゴールデンステート・ウォリアーズと3年1600万ドルの契約を結びます。この契約が彼のキャリアを大きく変えました。リアンドロ・バルボサやマリース・スペイツらと共にベンチからチームを支え、自己最多の78試合に出場。怪我からの復活を遂げ、NBAチャンピオンの座を手にしました。

2015-16シーズンのプレーオフでは、ステフィン・カリーの怪我による欠場時に代役として活躍し、カンファレンスファイナル進出に貢献。スティーブ・カーHCは彼の活躍を「我々は恵まれている、本当にラッキーだ。ポイントガードを失い、MVPを失っても、ショーン・リビングストンを投入することができる。大したプレーヤーだ。すばらしいチームメイトでもある」と称賛しました。

クリーブランド・キャバリアーズとのNBAファイナル第1戦では、チームトップの20得点をあげ勝利に貢献。2016-17シーズンもカリーのバックアップとして活躍し、2年ぶりの優勝に貢献しました。オフには3年2400万ドルで再契約し、2017-18シーズンも優勝、2連覇を達成しました。

2019年にウォリアーズを解雇されましたが、同年9月に引退を表明。NBA選手としてのキャリアを終えました。

引退後もウォリアーズを支える

2020年9月15日、リビングストンはゴールデンステート・ウォリアーズのフロントスタッフに就任。2022年には、チームがNBAファイナルで優勝し、選手時代を含め4度目のNBA王者となりました。

2023年6月20日、家族との時間を増やしたいという理由でウォリアーズの職務を退任しました。

ショーン・リビングストンのNBAキャリアは、決して順風満帆ではありませんでした。しかし、彼は幾多の困難を乗り越え、ウォリアーズの黄金期を支える重要な役割を果たしました。彼の不屈の精神と努力は、多くの人々に感動と勇気を与えています。

個人成績

1試合記録

得点: 25 (2010年4月9日)
リバウンド: 11 (2014年1月10日)
アシスト: 14 (2006年5月10日, 2007年2月24日)
スティール: 7 (2014年2月3日)
* ブロック: 4 (2006年3月10日, 2014年2月6日)

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