シリウスの道

『シリウスの道』

概要

『シリウスの道』は、日本の作家藤原伊織によって書かれた長編ミステリー小説です。本作は、広告業界を舞台にしており、文藝春秋から出版されています。この物語は、元々『週刊文春』にて連載されていたもので、連載期間は2003年11月6日号から2004年12月23日号までの約1年にわたり行われました。特筆すべきは、著者の別作品『テロリストのパラソル』と同じ世界観が設定されており、本作はその続編とも言える内容になっています。時系列的には前作から9年後が舞台であり、登場キャラクターや物語の要素が互いに関連しています。

2008年には、WOWOWが製作したドラマWとして本作の映像化が行われ、視聴者に新たな切り口で物語を届けました。さらに、2009年にはそのドラマ版のDVDも発売されています。

あらすじ

物語は、辰村祐介という男性を中心に展開していきます。彼には、幼馴染みの勝哉や明子がいます。中学生だった頃、彼らは大阪で貧しいながらも助け合いながら生活し、友情を育んでいました。しかし、家庭内の複雑な事情が絡み、特に明子の義父である貞和との関係が深く影を落とすことになります。貞和の死にまつわる秘密を抱えることになった明子は、その後、辰村との連絡を絶つことになりました。

時は経ち、25年後。辰村は大手広告代理店である東邦広告の営業部副部長としての地位に就いています。彼の部署は、これまで関係のなかった大手メーカーの大東電機から突然、18億円という巨額プロジェクトの競合指名を受けることになります。これを機に、彼の周囲には様々な才能を持つ仲間が集まります。特に、才色兼備の部長である立花英子、政治家の息子としての特権を持ちながらも真剣に仕事に取り組む若手社員の戸塚英明、そして破天荒ながらもコンピュータに長けた派遣社員の平野由佳など、個性豊かな面々がプロジェクト成功に向けて奮闘します。

しかし、辰村は次第に、そのプロジェクトが彼自身が長い間心の奥に封じ込めてきた過去と繋がっていることに気づいてしまいます。このことが、物語をさらに複雑化し、彼自身と周囲の人々の運命を大きく揺るがすことになるのです。過去の秘密と向き合うことで、辰村はどのような選択をするのか、彼の内面の葛藤が物語の重要なテーマとして描かれています。

書籍情報

• - 単行本: 2005年6月、文藝春秋、ISBN 978-4163240206
• - 文庫本: 2006年12月、文春文庫

- 上巻: ISBN 978-4167614034
- 下巻: ISBN 978-4167614041

テレビドラマ

• - タイトル: シリウスの道
• - 放送日: 2008年9月14日
• - 制作: WOWOW

キャスト

• - 辰村祐介: 内野聖陽
• - 浜井勝哉: 寺島進
• - 半沢明子: 大塚寧々
• - 平野由佳: 栗山千明
• - 戸塚英明: 黄川田将也
• - 半沢智之: 田中健
• - 細川国勝: 本田博太郎
• - 浅井志郎: 白竜
• - 園井秀一: 夏八木勲
• - 立花英子: 真矢みき

スタッフ

• - 原作: 藤原伊織
• - 監督: 石橋冠
• - 脚本: 吉本昌弘
• - 音楽: 本田聖嗣
• - プロデューサー: 井上衛、目黒正之

外部リンク

• - WOWOWオンラインによる紹介

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