シリバイ

シリバイ（失里伯）とは

シリバイ（生年不詳 - 1281年）は、モンゴル帝国に仕えた将軍の一人です。彼の事績は『元史』に記録されています。

生涯

シリバイの父ケグルトゥは、チンギス・カンに仕え、西夏遠征などで功績を挙げました。その後、金朝との戦いで戦死しています。

シリバイの父の兄弟にはモロカという人物がいました。モロカはクビライに仕え、帝位継承戦争で活躍しました。『モンゴル秘史』に登場するモロカと同一人物であるという説もありますが、活躍年代が異なるため、疑問視されています。

シリバイは父祖の地位を継承し、河南行省でジャルグチ（断事官）となりました。1270年からは南宋遠征に従軍し、水軍を率いて襄陽城攻めに参加しました。1271年には、襄陽城の救援に来た南宋の武将、范文虎を破り、鹿門の戦いでは敵将の張貴を生け捕りにするなどの功績を挙げました。

1273年には昭勇大将軍及び耽羅国招討使に任じられましたが、後に上都に赴き管軍万戸となりました。襄陽周辺の新軍を率いて長江を渡り、バヤンの指揮下で南宋征服に貢献しました。1281年に亡くなり、息子のタラチが後を継ぎました。

シリバイは、父祖から受け継いだ地位と才能を活かし、モンゴル帝国の南宋攻略に大きく貢献した人物です。

参考文献

村上正二訳注『モンゴル秘史 2巻』平凡社、1972年
『元史』巻133列伝20

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