シルト

シルトの概要

シルト（英: silt）は、地質学において特定の粒径を持つ砕屑物を指します。日本語では沈泥（ちんでい）と呼ばれ、砂よりも細かく、粘土よりも粗い粒子のことを意味します。シルトの粒径は、0.002ミリメートルから0.063ミリメートルの範囲に入ります。この粒径の範囲は、微砂（粒径が0.063ミリメートルから0.25ミリメートルのもの）と粘土（粒径が0.002ミリメートル以下のもの）の中間に位置するため、シルトはそれら二つの物質の特長を併せ持つとされます。

シルトの特徴

シルトは、その粒子が非常に微細であるため、水を含むと膨張したり、粘土と同様に水を保持する能力があります。この特性により、シルトは土壌の水分保持能力を向上させ、農業においても重要な役割を果たします。なお、シルトはその形状や粒子の配列により、土壌の排水性や通気性にも影響します。

シルトの堆積

シルトは浸食、風、河川流、氷河の移動などの自然現象により生成された細かな粒子で、大気中や水中に浮遊した後、地面に沈積します。特に河川や湖沼の底に堆積しやすい傾向があります。シルトの堆積物は、通常、他の砕屑物と混ざり合い、地層を形成することが多いです。

シルト岩

シルトが成長作用を経て堆積岩となったものを「シルト岩」（英: siltstone）と言います。シルト岩は、シルトが主成分として含まれ、その粒子が結合して固まることで形成されます。シルト岩は通常、粘土岩よりもやや硬く、砂岩よりも柔らかい特性を持ち、建材や土壌改良材として利用されることがあります。このように、シルトはその物理的性質から、様々な地質学的プロセスや利用に関連して重要な役割を果たしています。

参考文献

- 国立天文台 編「構成粒子の径と砕セツ岩」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、654頁。
- 産業技術総合研究所地質調査総合センター. “岩石の分類”. 地質図のホームページ. 2012年9月21日閲覧。

まとめ

シルトは、自然界で広く存在し、環境や農業、地質学において重要な役割を果たす微細な粒子です。その特性を理解することで、土壌管理や地質調査などでより良い結果を得ることが可能となります。

もう一度検索