シルベスター・キャット

シルベスター・キャット：トゥイーティーを追いかけるドジ猫の知られざる魅力

シルベスター・キャットは、1945年の短編アニメ『Life with Feathers』でデビューしたルーニー・テューンズの人気キャラクターです。白黒ツートンの体毛、大きな赤い鼻、そして独特の「スルメも逆立ち」という口癖（作品によっては「ウシシー」）で知られています。

トゥイーティーとの永遠の追いかけっこ

シルベスターといえば、カナリアのトゥイーティーとの追いかけっこが有名です。彼はトゥイーティーを捕まえようとしますが、トゥイーティーの機転とシルベスター自身のドジさ、そして不運が重なり、いつも失敗に終わります。このドタバタ劇は、多くの笑いを生み出し、シリーズを通して人気を博しています。

しかし、シルベスターは単純な悪役ではありません。トゥイーティーや他のキャラクターがピンチに陥ると、良心に突き動かされ助けようとする一面も持ち合わせています。また、劇中ではトゥイーティーよりも多くの出番があり、実質的な主役と言える存在感を見せています。

意外な才能と弱点

シルベスターは、伝承によると9つの魂を持つとされています。そのため、高い所から落下したり、様々な危険に遭遇しても生き残ることがありますが、命を落としたり、魂を使い果たしてしまう描写もあります。

彼はスピーディー・ゴンザレスなどの小さな動物には強気ですが、実は臆病で小心者な一面も。スカンクのペペ・ル・ピューや犬のヘクター、さらには幽霊なども苦手としています。また、カンガルーのヒッピティー・ホッパーを巨大なネズミと勘違いしてしまうなど、可愛らしい一面も見せています。

さらに、主演作『シルベスター&トゥイーティー・ミステリー』では羊毛アレルギーがあることが明らかになっています。また、ピンチに陥ると、火事場の馬鹿力とも言うべき超人的な身体能力を発揮し、ライオンなどの猛獣とも渡り合うことができます。

多彩な共演とキャラクター変化

シルベスターは、トゥイーティー以外にも様々なキャラクターと共演し、トムとジェリー、ワイリー・コヨーテとロード・ランナーのようなドタバタ劇を繰り広げます。その際、彼はしばしばトムやワイリー・コヨーテのような役回りを担っています。

『ルーニー・テューンズ・カートゥーンズ』の「Put the Cat Out」シリーズでは、飼い主のポーキー・ピッグと共演。過去の作品とは異なり、シルベスターがポーキーを出し抜くという珍しい展開を見せています。

『ベビー・ルーニー・テューンズ』では、ベビー・シルベスターとして登場。弱気ながらも優しい性格で描かれています。息子のシルベスターJr.には、威厳を見せようとして嘘をついたり、見栄を張ったりする一面も見られます。

名前と出演作品

シルベスターの名前は、ヤマネコの学名であるFelis silvestrisに由来しています。かつて『部屋の中で大バトル』（1947年）では「トーマス」と呼ばれていたこともありますが、トムとジェリーですでに同じ名前のキャラクターが登場していたため、すぐに変更されています。

彼は長年に渡り、数多くの作品に出演しています。代表的な作品としては、『この家は誰のもの?』、『迷惑なコンサート』、『食うか食われるか』、『公園は楽しいわが家』などがあります。また、『タイニー・トゥーンズ』『ベビー・ルーニー・テューンズ』『シルベスター&トゥイーティー・ミステリー』『ルーニー・テューンズ・ショー』『新ルーニー・テューンズ』『ルーニー・テューンズ・カートゥーンズ』『バッグス・バニー・ビルダーズ』などのテレビシリーズや、『ロジャー・ラビット』『スペース・ジャム』『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』『スペース・プレイヤーズ』などの長編作品にも出演しています。

声優と日本でのCM

シルベスターの原語版声優は、メル・ブランク、ジョー・アラスカイなど多くのベテラン声優が務めてきました。一方、日本語版では青野武、納谷六朗、江原正士など、多くの声優が彼に声を当てています。

日本では、1980年代に東海Vestaのライターや使い捨てカイロのCMにも起用されるなど、幅広い世代に親しまれてきました。

まとめ

シルベスター・キャットは、ドジでコミカルなキャラクターでありながら、意外な勇気や優しさも持ち合わせた魅力的な存在です。トゥイーティーとの追いかけっこをはじめ、様々な作品での活躍を通じて、長年に渡り多くの人々に愛され続けています。彼のコミカルな行動や、意外な一面を知ることで、さらにルーニー・テューンズの世界を深く楽しむことができるでしょう。

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