シルヴェスター・ダグラス (初代グレンバーヴィー男爵)

初代グレンバーヴィー男爵シルヴェスター・ダグラスの生涯

初代グレンバーヴィー男爵シルヴェスター・ダグラス（1743年5月24日 - 1823年5月2日）は、イギリスの弁護士、政治家、貴族であり、その多彩な経歴で知られています。彼の父はジョン・ダグラスで、母はマーガレットという女性で、幼少期はスコットランドで過ごしました。ダグラスは1954年から1757年まで家庭教師の教育を受けた後、アバディーン大学キングス・カレッジに入学し、医学を学びましたが、数年後に法律に進むことを決意しました。

1771年にリンカーン法曹院に入学したダグラスは、1776年に弁護士としての資格を取得し、選挙申立の法律顧問業務を通じて生計を立てました。彼はまた、薀蓄をもって『英国議会史』に名を記載され、1793年には大学の評議員にも選ばれます。しかし、弁護士としては成功とは言えず、収入は十分ではありませんでした。この時期の経験が後の政界進出に大きな影響を与えることとなります。

ダグラスの人生において転機となったのが1789年に元首相ノース卿の娘、キャサリン・アン・ノースと結婚したことです。この結婚によって彼は政治の道へと本格的に足を踏み入れることになり、同年にはブルックス・クラブ及びホイッグ・クラブに加入しました。彼は事務職として勤務し、議会において発言する機会も増えました。

政治家としてダグラスは多くの官職を歴任しました。1794年にはアイルランド主席政務官として任命され、同年にはアイルランド庶民院議員に選出されます。その後も多くの重要なポストを務め続けましたが、政界では陰の声もあります。1792年にノースが亡くなると、彼はホイッグ党から離れ小ピット派へ転向。1799年には陸軍支払長官に任命され、1801年には再び大蔵卿に就任します。

ダグラスは政界での力を保つ一方、妻や息子を相次いで失ったことから、晩年には文学に情熱を注ぎます。15世紀のイタリアの詩人ニッコロ・フォルティグエッラの作品を翻訳したほか、自身の回顧録や家族の伝記にも取り組みましたが、その完成を見ることはありませんでした。

最晩年の彼は、政治や文学に対する考察を深め、「真実への追求」や「良識」をテーマにした作品に取り組みましたが、1823年に死去。その結果、彼の爵位は廃止されました。評伝によると、ダグラスは背が高く、特徴的な容姿で「英国人とわかる」と評される一方で、議会での発言が報じられることは少なかったとされています。その後、1910年と1928年に彼のジャーナルと日記が出版されました。彼の存在は、法律、政治、文学にわたり、後世に影響を与えるものでした。

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