シロハラチュウシャクシギ

シロハラチュウシャクシギ（白腹中杓鷸）

シロハラチュウシャクシギ（学名：Numenius tenuirostris）は、チドリ目シギ科に分類されていた鳥類の一種です。かつてはシベリア中西部で繁殖し、冬季はアフリカ北部へ渡り越冬することで知られていました。

分布

かつてシベリアの中部から西部にかけて繁殖地が存在していました。冬季はアフリカ北部へと渡り越冬していましたが、近年その姿を確認されることはありませんでした。日本では、迷鳥としてごく稀に記録されることがありましたが、その詳細はほとんど分かっていません。

形態

体長は約41cm。頭部から体の上面にかけては淡褐色で、黒褐色の軸斑が入っています。下背部から上尾筒にかけては白い部分が目立ち、飛翔時にはその白さが際立ちます。胸部から腹部にかけては白色で、胸と脇には黒い斑点が連なって見られます。この斑点は、よく見るとハート型にも見える独特の模様をしています。

生態

シロハラチュウシャクシギは、世界的に非常に希少な種として知られていました。かつては全世界での生息数が200羽から400羽程度と推定されていましたが、その後急速に数を減らし、絶滅が危惧されていました。2007年の時点での推定生息数はわずか50羽でした。

かつて数少ない越冬地のひとつであったモロッコでは、1994年を最後に確認されていません。1995年にはイタリア南部で20羽が発見されましたが、その後の情報は途絶えていました。そして、2024年11月18日、ついに本種の絶滅が発表されました。

鳴き声はダイシャクシギによく似ているとされています。

脚注

参考文献

高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥』、日本野鳥の会

関連項目

日本の野鳥一覧
* 迷鳥

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