シロンスクのヤドヴィガ

シロンスクのヤドヴィガ：信仰と慈善に生きた聖女

シロンスクのヤドヴィガ（1174年 - 1243年）は、カトリック教会の聖女であり、シレジア（シロンスク）地方の守護聖人として広く知られています。ドイツ語ではヘートヴィヒ・フォン・アンデクス、ラテン語ではヘドヴィギスと呼ばれます。彼女の生涯は、信仰、慈善、そして家族への深い愛情に彩られていました。

生い立ちと結婚

ヤドヴィガは、アルトバイエルンのアンデクス城で、アンデクス伯兼メラーン公ベルトルト4世の娘として生まれました。母はヴェッティン家出身のアグネス・フォン・ロホリッツです。彼女の姉妹には、フランス王フィリップ2世の妻アニェス、ハンガリー王アンドラーシュ2世の妻ゲルトルートがいます。また、ゲルトルートの娘でテューリンゲン方伯ルートヴィヒ4世の妻となった聖エルジェーベトは姪にあたります。ヤドヴィガは、フランケン地方のルッツィンゲンにあるベネディクト会の女子修道院で教育を受け、高い教養を身につけました。

12歳の時、ヤドヴィガはポーランドのシロンスク公ヘンリク1世と結婚しました。ヘンリク1世は1233年にポーランド君主となりました。ヤドヴィガは夫と共に敬虔な生活を送り、信仰を深く追求しました。

信仰と慈善活動

ヤドヴィガは、貧しい人々への支援に熱心でした。彼女は常に困窮している人々を助け、冬でも裸足で歩き、全財産をローマ教会に寄付するなど、徹底した慈善活動を行いました。その献身的な姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。

修道院での生活と家族の悲劇

1238年にヘンリク1世が亡くなると、彼はヤドヴィガの願いによって1202年にヘンリク1世が建設したトシェブニツァのシトー会修道院に埋葬されました。未亡人となったヤドヴィガは、娘の一人と共に夫が眠るこの修道院に入り、修道女として生活を送りました。1241年には、ポーランド君主となっていた息子ヘンリク2世がレグニツァの戦いで戦死するという悲劇に見舞われました。

死と列聖

1243年、ヤドヴィガは修道院で亡くなり、そこに埋葬されました。彼女の聖遺物は、故郷のアンデクス修道院に保存されています。死後24年が経過した1267年、ヤドヴィガは列聖されました。

遺産

1773年、プロイセン王フリードリヒ2世はベルリンにザンクト・ヘートヴィヒ聖堂を建設しました。この聖堂は、シロンスクから移住してきたベルリン大司教区内のカトリック教徒たちの母教会となっています。シロンスクのヤドヴィガは、その信仰と慈善活動を通して、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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