列聖

列聖についての解説

列聖（れっせい、ラテン語: Canonizatio）は、キリスト教において特定の信者が聖人として認められる過程を指します。この過程は教会によって厳格に管理され、信仰の模範となる人物が死後に列聖されることを意味しています。特にカトリック教会では、聖人は生前に示した徳や聖性が認められることが条件となります。

カトリック教会における列聖

カトリック教会では、過去に徳や聖性を示したと考えられる人物の死後に、列福（列聖される前段階）や列聖の調査が行われます。調査は地域司教によって始まり、聖人に相応しいと判断されると、ローマ[[教皇庁]]の列聖省において更に詳細な評価が行われます。このプロセスでは、対象者による奇跡が求められ、その数は殉教者であれば一度、通常の証聖者であれば列福時を含め二度必要です。

列聖の調査には通常、数十年から数百年を要しますが、特例も存在します。たとえば、教皇聖ヨハネ・パウロ2世生前の功績によって、彼は死後9年で列聖されました。このように、迅速な列聖が行われることも時折あります。教皇によって正式に列聖が宣言された後、その聖人はヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂で祝われ、一般の信徒に知られるようになります。その際、すべての聖人には記念日が設定され、通常はその人物の命日がそれに相当します。

特にカトリック教会では、聖人は全世界的に敬われる存在であり、宗教的な儀式において重要な役割を果たします。日本でも、豊臣秀吉時代に長崎で殉教した日本二十六聖人のうち、多数の日本人聖人が列聖され、彼らの功績は現在も尊重されています。

正教会での列聖

正教会においては、列聖の手続きはカトリック教会とは異なります。聖人を認定する制度があまり厳密ではなく、特定の信者が過去から聖人とみなされることが一般的です。特に列福や列聖調査のような制度は存在しませんが、自治教会の会議で聖人としての地位を授けることが決定されると、その人物は人口的に祝われることとなります。

正教会では地方ごとに聖人への崇敬の仕方が異なり、つまり全国的に同じ扱いを受けるとは限りません。また、聖人の称号も地域によって異なることがあります。日本の正教会はロシアからの影響を受けており、ロシア[[正教会]]の聖人録が用いられます。ただし、日本人の聖人は2004年現在では確認されておらず、日本の正教会と関連のある聖人としては、初代日本大主教ニコライ・カサートキンや、ペルミの大主教アンドロニク・ニコリスキイがいます。

日本ではアンドロニクの称号が「京都の主教・聖アンドロニク」として広まり、地域に根ざしたなじみ深い聖人となっています。

まとめ

列聖はキリスト教において聖人を認める非常に重要なプロセスであり、カトリック教会と正教会ではその手続きや意味合いに違いがあります。それぞれの教会が持つ伝統や文化に根差しながら、信者たちは聖人を崇敬し、彼らの生き方や信仰を学び続けています。

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