シンシナティ協会

シンシナティ協会

シンシナティ協会は、アメリカ合衆国とフランスにおける歴史的な結社で、独立戦争における戦士やその子孫が中心となっています。設立されて以来、会員には厳格な条件が設けられており、特に大陸軍や大陸海軍の士官として3年以上従軍した人物またはその直系子孫が対象とされています。ここでは、この協会の起源、目的、会員、さらにはその後の発展について詳しく解説します。

起源

シンシナティ協会は1783年5月、ニューヨーク州で開催された晩餐会でそのアイデアが生まれました。当初、参加者たちは戦争後も連絡を取り合い、お互いの関係を保ち続けることを決めました。協会名は、共和政ローマの将軍キンキナトゥスに由来し、彼は必要に応じて指導者の役割を務め、戦争が終わるとその権力を返還しました。この伝統に則る形で、「彼は全てを投げ打って共和国に仕えた」という座右の銘が設定され、組織の目的が明確にされました。

協会の目的

協会の設立目的は以下の3つに集約されます。
1. 心から勝ち取った権利を守ること
2. 各州の連合を推進すること
3. 会員やその家族への支援を行うこと

これらの目的が掲げられ、協会は独立戦争の退役軍人やその遺族への援助を求める運動を展開しました。1784年にはフランスに支部ができ、フランス王ルイ16世の認可も受けました。協会の初代会長にはジョージ・ワシントンが就任し、彼は1799年までその職にありました。

協会のシンボル

協会の紋章にはハクトウワシが採用され、これはアメリカ独立以後の象徴的存在として位置づけられています。このハクトウワシは、当時の士官ピエール・ランファンによって提案され、そのデザインは後に協会の記章として正式に採用されました。協会の色は、アメリカとフランスの連携を象徴する青と白です。

協会に対する反響

一方で、シンシナティ協会はその設立当初から、世襲特権の創出を懸念する声も上がりました。トーマス・ジェファーソンやベンジャミン・フランクリンは、特権階級の台頭や、国の象徴がワシであることに異を唱えました。特にフランクリンは、ワシが持つイメージが国の性格に対して悪影響を及ぼす恐れがあると考えました。

19世紀から現在までの発展

協会は19世紀に入り、教養ある公僕を輩出する機関として成長しました。アメリカ西部への拡大や連邦政府内での団結力の構築に寄与し続けました。また、シンシナティ協会は、退役軍人の補償や福祉に関する政策を提言し、実現に向けて尽力しました。それらの目的の多くは実現し、今日の協会は「友の協会」としてアメリカ独立の ideals を教育する活動を行っています。

現在の活動と組織

シンシナティ協会は、全米に14の支部を持ち、会員資格は厳格に管理されています。現代においても、協会は社会の多様化を反映し、より広範な背景を持つ会員が増えています。最近では、元大統領や政府高官も名誉会員として協会に名を連ねます。

アンダーソン・ハウスが協会の本部として機能し、博物館や図書館も併設されています。ここでは独立戦争に関連する資料や書籍が保管され、訪問者はアメリカ独立の歴史を深く学ぶことができます。協会の活動は、アメリカの民主主義や共和主義の理解を普及する役割を担い続けています。

結論

シンシナティ協会は、その発足から220年以上経った現在でも、アメリカの歴史における重要な役割を果たし続けています。国の基盤を築いた先人たちの理想と精神を次世代に継承し、より公正な社会を推進すべく活動しています。この歴史的な結社は、アメリカ独立戦争から今に至るまでの重要な記憶を持ち続ける存在として、今後もその活動を続けていくことでしょう。

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