シンチグラフィ

シンチグラフィ: 医療画像診断の一手法

シンチグラフィ（英: scintigraphy）とは、体内に投与された放射性同位体から放出される放射線を検出し、その分布を画像として表現する診断技術です。この方法は画像診断法の一種として、腫瘍（がん）の評価や諸臓器の機能検査に広く応用されています。

シンチグラフィは、異所性胃粘膜の発見や甲状腺、唾液腺の検査にも用いられており、医療現場では「シンチグラム」と呼ばれることも多いです。また、診療報酬点数表においてもこの表記が使われています。一般にシンチグラフィとRI検査は同義とされることが多いですが、RI検査はより幅広い範囲を含み、画像化を伴わない場合のシンチグラムや、放射性同位体を用いた体外からの測定も含まれます。英語では検査手法を scintigraphy、得られた画像を scintigram と区別します。

シンチグラフィの種類

脳血流シンチグラフィー

脳血流の評価には、123I-IMP、99mTc-HMPAO、99mTc-ECD、133Xeなどのトレーサーが使われます。特に99mTc-HMPAOは脳梗塞の急性期に迅速に合成可能であり、通常のスクリーニングでは123I-IMPや99mTc-ECDが優先されます。また、脳の血流状態や治療方針決定においては、より高精度の評価ができるような方法が望まれます。

ECD-RVR 法とDTARG 法

ECD-RVR法は全脳血流を定量化する特性があり、DTARG法は動的撮影手法を用いた新しいアプローチです。これにより脳の血流状態を詳細に解析することができます。

SPECT検査と脳梗塞

脳梗塞の診断においてはSPECT検査が有効で、特に血行力学的脳虚血の重症度を評価し、治療方針を決定する際に大きな役割を果たします。過去の国際共同研究や日本での研究で、血行再建術の有効なサブグループが特定されており、現在でも脳循環予備能が診断に役立っています。

認知症とSPECT検査

アルツハイマー型認知症において、3D-SSPと呼ばれる手法が用いられ、血流や代謝の低下が共通して見られる部位が特定されています。これによって、認知症の診断が大きく進展しています。

心筋血流シンチグラフィー

心血管の評価においてもシンチグラフィは重要で、心筋の血流を評価するための方法として用いられています。特に交感神経機能を評価するためのMIBGシンチグラフィーなどが知られています。

注意点と影響因子

シンチグラフィ検査を行う際には使用する薬剤や病歴による影響も考慮が必要です。例えば、アルコールの影響、使用中の薬剤の影響などが結果に影響を与えるため、検査前に注意が求められます。広範な診断能力にもかかわらず、さまざまな因子により結果が左右されることは留意すべき点です。

まとめ

シンチグラフィは、腫瘍や各種臓器の機能を評価するための重要な医療技術です。その利用範囲は広く、脳血流や心筋血流を評価するための特殊な手法も含まれます。最新の技術によって、診断精度が高まり、病気の早期発見や治療の方針決定に寄与しています。

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