シンドバッド黄金の航海

『シンドバッド黄金の航海』

『シンドバッド黄金の航海』（英語: The Golden Voyage of Sinbad）は、1973年に公開されたアメリカ合衆国の冒険映画です。この作品は、1958年の『シンバッド七回目の航海』に続く「シンドバッド三部作」の第2作目で、3作目にあたる『シンドバッド虎の目大冒険』は1977年に公開されました。三部作は内的に関連があるものの、各作品は独立したストーリーとして楽しむことができます。

ストーリーの展開

物語は、シンドバッドが海を航海しているところから始まります。彼の帆船に奇妙な鳥が黄金の刻印を落とすことで、彼の運命が大きく動き出します。漂着したマラビア王国で、シンドバッドは魔術師クーラとその手下たちに黄金の刻印を奪われそうになりますが、運の要素によって難を逃れます。彼は宰相ビジエルと面会し、国のために尽力する彼の姿勢に触れることになります。

ビジエルは、亡き国王の遺志を継いで国を治める摂政。しかし、彼はクーラの魔力による火球により、顔に大火傷を負い、黄金の仮面をつけています。ビジエルはまた、刻印を一つ持っており、他の刻印を集めることで未知の孤島へと導く海図となることをシンドバッドに伝えます。この刻印たちが全て揃えば、クーラの野望を打破し、国を救う力となるのです。

シンドバッドはビジエルと共に、夢に現れた女奴隷マルギアナや、彼女の自堕落を直すために父親に頼まれた若者ハロウンを仲間にし、冒険を開始します。彼らは刻印を集めるために数々の試練やクリーチャーに立ち向かい、果敢に旅を進めていきます。

スタッフとキャスト

この映画は、ゴードン・ハッセルが監督を務め、ブライアン・クレメンスが脚本を担当しました。特殊効果はレイ・ハリーハウゼンによって施され、その大迫力のクリーチャーたちが話題となりました。映画の音楽はミクロス・ローザが手掛け、視覚的にも聴覚的にも観客を楽しませる要素が多数散りばめられています。

特徴

『シンドバッド黄金の航海』では、円熟したダイナメーション技術を駆使して多種多様のクリーチャーが登場します。ホムンクルス、サイレン、ケンタウロス、グリフィンなど多彩なキャラクターが織り交ぜられ、特に陰母神カーリはそのデザインが非常に秀逸で、6本の腕という特異な形状で描かれています。このような工夫が、この作品の視覚効果と物語を一層引き立てています。

解説

本作の「シンドバッド」は、アラビア文学『千夜一夜物語』に登場する船乗りシンドバッドとは異なり、物語の異なる英雄として描かれています。また、シリーズ間でも各キャラクターの立場が異なり、物語の直接的な関連性はありません。ただし、冒険を成し遂げる有名な英雄という設定は引き継がれています。

映画は、冒険と魔法、友情のテーマが交差し、視覚的に素晴らしい作品に仕上がっています。エンターテインメント性が高く、シリーズ全体にわたる相互作用と進化を感じ取ることができる点が魅力です。

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