シンハラジャ森林保護区

シンハラジャ森林保護区について

シンハラジャ森林保護区は、スリランカの南西部に位置する国立公園であり、特に生物多様性が豊かなことで知られています。1978年にはユネスコの生物圏保護区に指定され、1988年には世界遺産リストにも名を連ねました。「シンハラジャ」という名前は、「ライオンの王国」という意味を持ち、その名の通り、独自の生態系を有する地域です。

この森林保護区は、東西に約21キロメートル、南北は最大7キロメートルほどの規模を誇ります。原生雨林の特性上、アクセスが難しいことから、商業的な伐採の影響を受けることは少なく、貴重な生物が数多く存在しています。標高の高い地域のため、豊かな植生に包まれており、様々な動植物が生息しています。

多様な生物相

この保護区の生物相は、多種多様で、固有種が豊富に分布しています。ツリーバイソンやヒョウも時折見られますが、最も目立つ大型哺乳類は、固有種であるカオムラサキラングールです。そして、特筆すべきは、鳥類の多様性です。スリランカには26種の固有鳥が存在し、そのうち20種がシンハラジャ森林保護区内で確認されます。

例えば、セイロンサンジャクやアカガオバンケンモドキ、シロガオムクドリなどが観察できるほか、カザリオウチュウやセイロンヤブチメドリが率いる混群が形成されることも興味深いポイントの一つです。

爬虫類や両生類

森林内には、シロクチアオハブやヒプナレマムシといった固有の爬虫類も生息しています。また、アマガエルなどの両生類も非常に多様で、様々な種を見ることができます。無脊椎動物に関しても、チョウの固有種やヒルなど、多岐にわたります。

植物の宝庫

植物相も極めて多様で、ヤシのLoxoccus rupicolaやミカン科のAtalantia rotundifoliaなど、固有種が多数存在します。この豊かな植物群は、さまざまな生物に必要な生息環境を提供しています。

1971年には、保護区の2,500ヘクタールがIUCN-IBP厳正保護区に指定され、翌1977年からは森林内の木材伐採が全面的に禁止されました。これにより、生態系の保全が促進され、より多くの固有種がその存在を続けていくことが可能となりました。

世界遺産登録基準

シンハラジャ森林保護区は、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

• - 基準9: 陸上や淡水、沿岸および海洋生態系において、動植物群集の進化と発達における重要なプロセスを示す顕著な見本であること。
• - 基準10: 生物多様性の保全にとって重要な自然生息地を含んでおり、特に絶滅の危機にある種の生息地が保護されていること。

まとめ

シンハラジャ森林保護区は、その豊かな生物多様性と生態系の保全において極めて重要な場所であり、今後もその素晴らしい自然環境を保つための努力が続けられることが期待されています。

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