シヴェーリア

シヴェーリア（ウクライナ語: Сі́верщина；ラテン語: Siveria）は、「北の国」と訳される中世から近世にかけて東ヨーロッパに存在した歴史的な地名です。その語源は、この地に居住していた東スラヴ人の一派、シヴェーリア族に由来します。シヴェーリアは、シヴェーリア州（ウクライナ語: Сі́верська земля́, Сі́верщина）、あるいはセヴェリア（ラテン語: Severia）とも呼ばれました。

地理的範囲

シヴェーリアは、主に左岸ウクライナに位置し、ドニプロ川の支流であるデスナー川の中流域、そしてセイム川とソージュ川の流域を中心とした地域を指します。現在の行政区分でいうと、ウクライナのチェルニーヒウ州とスームィ州、そしてロシアのブリャンスク州とクルスク州にまたがる広大な地域でした。歴史的な中心地としては、チェルニーヒウとノーウホロド＝シーヴェルシクィイ（現在のウクライナ領内）が挙げられます。

歴史

11世紀から16世紀にかけて、シヴェーリアはキエフ大公国の分国であるシヴェーリア公国として知られ、ルーシの一部を構成していました。この時代、シヴェーリアは独自の政治的、文化的発展を遂げました。17世紀から18世紀にかけては、コサック国家の北方の領域となり、その名称は国家全体を指す言葉としても用いられるようになりました。

シヴェーリアの支配権は、歴史を通じて幾度となく変動しました。リトアニア大公国、ポーランド王国、そしてモスクワ大公国といった周辺の大国が、この地の支配を巡って激しい争いを繰り広げました。肥沃な土地と戦略的な位置から、シヴェーリアは常に列強の関心の的であり、その歴史は複雑な政治的駆け引きと戦争の連続でした。

シヴェーリアは、東ヨーロッパの歴史において重要な役割を果たした地域であり、その名は今もなお、歴史的な記憶として残っています。

外部リンク

シヴェーリア族 // ウクライナ百科辞典 （英語）
シヴェーリア公国 // ウクライナ百科辞典 （英語）

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