シーケンシャル・サーキット プロフェット5

プロフェット5（Prophet-5）

プロフェット5は、アメリカのシーケンシャル・サーキット社によって1977年に開発され、1978年1月にNAMMで初公開されたアナログシンセサイザーです。デイヴ・スミスが手掛けたこの機材は、当時のシンセサイザーの概念を大きく変える存在となり、今もなお多くの音楽家に愛されています。

概要

プロフェット5は、初期モデルのRev.1からRev.3までのバージョンが1978年から1984年にかけて販売され、日本ではモリダイラ楽器が輸入・販売を行い、約170万円の価格が設定されていました。その後、2020年にはRev.4が登場し、日本市場でも販売が始まりました。Rev.1からRev.3までのモデルでは約7200台が売られました。Rev.4は、デイヴ・スミスが設立したSEQUENTIAL社によって製造され、YAMAHAによる買収後も影響を受け続けています。

特徴

プロフェット5の特徴は、音色メモリが可能なポリフォニックシンセサイザーである点です。これにより、音色の設定を保存し、簡単に呼び出すことができます。特に「ポリ・モジュレーション」（POLY-MOD）と呼ばれる機能は、複雑な音色変化を実現し、多彩な音作りが可能になります。また、5音同時発音が可能で、多様な和音を生み出すことができます。音色のメモリーにはZ80をCPUとして用い、各パラメータの状態を記録することができます。さらに、カセットテープ用インターフェイスを搭載し、外部データレコーダに音色データを保存することも可能です。

ユニゾンモードやグライド機能も特徴的で、特に後発のprophet-600ではポリフォニックでのグライドの実現が注目されます。

バージョンの違い

プロフェット5は、Rev.1からRev.4までの異なるバージョンが存在し、それぞれに特徴があります。Rev.1とRev.2は、木製ボード部分の素材や電源スイッチの位置が異なるほか、Rev.3は内部の部品が改良され安定性が向上しました。Rev.3.2では120音のメモリーが実装され、Rev.4ではMIDI端子やUSB-B端子が追加され、より現代のニーズに応える形に進化しています。

ユーザーの声

日本国内では、YMOやTHE SQUARE、オフコースの小田和正など、多くの著名なアーティストがプロフェット5を使用していました。特にYMOのワールドツアーでは頻繁に登場し、音作りにおいても重要な役割を果たしていました。海外では、ジョー・ザヴィヌルやハービー・ハンコックなど、著名なミュージシャンたちがこのシンセサイザーを愛用しています。更に、音色を再現したソフトシンセやハードウェアも販売され、多くの現代音楽制作に影響を与え続けています。

まとめ

プロフェット5は、その音色の豊かさと独自の機能により、シンセサイザー界において不朽の名作とされています。今後も新たな音楽創造に寄与し、歴史的な存在であり続けるでしょう。

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