シーフィールド伯爵

シーフィールド伯爵

シーフィールド伯爵（Earl of Seafield）は、スコットランド貴族に列する爵位であり、オグルヴィ氏族の流れを汲むオグルヴィ＝グラント家によって保持されています。この爵位は、1701年に第4代フィンドレイター伯爵ジェームズ・オグルヴィが叙爵されたことに始まります。

歴史

シーフィールド伯爵位は、元々デスクフォードのオグルヴィ卿とフィンドレイター伯爵という二つの爵位を前身としています。1811年までは、これらの爵位の継承権者は共通でした。

起源：デスクフォードのオグルヴィ卿

オグルヴィ氏族のウォルター・オグルヴィは、1615年に「デスクフォードのオグルヴィ卿」に叙せられました。これがシーフィールド系統のオグルヴィ氏族における爵位叙爵の始まりです。

フィンドレイター伯爵位の創設

ウォルターの子であるジェームズは、主教戦争の休戦に尽力し、王党派と盟約派の仲介に奔走しました。その功績が認められ、1638年2月20日にスコットランド貴族として「フィンドレイター伯爵」と「デスクフォード卿」に叙せられました。しかし、この叙爵は一族の長であるジェームズ・オグルヴィに先んじて行われたため、彼の激しい怒りを買ったと伝えられています。また、初代伯爵には男子がいなかったため、娘婿のパトリック・オグルヴィに爵位を相続させるべく、1641年に一旦爵位を返上し、再叙爵（ノヴォダマス）を受けました。これにより、以降の爵位はパトリックの子孫によって継承されることとなりました。

シーフィールド伯爵位の獲得

第2代フィンドレイター伯爵の孫にあたる第4代伯爵ジェームズは、スコットランドの弁護士として活躍し、後にスコットランド法務次官やスコットランド大法官といった要職を歴任しました。爵位の面でも昇進を重ね、1698年6月24日に「シーフィールド子爵」と「カレンのオグルヴィ卿」に叙せられ、さらに1701年には「シーフィールド伯爵」、「リードヘイヴン子爵」、「デスクフォード＝カレンのオグルヴィ卿」に叙せられました。これらの叙爵の背景には、スコットランドとイングランドの合同を推進する政府が、オグルヴィの政治力を利用しようとした思惑があったとされています。

その後の継承

第5代伯爵ジェームズは、スコットランド貴族代表議員やスコットランド海軍次官を歴任しました。また、官職であるスコットランド警察卿は、第6代伯爵ジェームズまで親子二代にわたって務めました。しかし、第7代伯爵ジェームズが子を残さずに亡くなると、フィンドレイター伯爵位、デスクフォードのオグルヴィ卿位、デスクフォード卿位は継承者を欠き、休止となりました。一方、女系継承が可能なシーフィールド伯爵位は、又従弟の第8代準男爵サー・ルイス・グラントが相続しました。この際、グラント家は同じく女系継承によって「(コフーンの)準男爵位」を世襲していたため、この準男爵位も伯爵位に従属することとなりました。ルイスには嗣子がいなかったため、弟のフランシス、その子のジョンへと伯爵位は継承されました。

ストラスペイ男爵位との関係

第7代シーフィールド伯爵ジョン・オギルヴィ＝グラントは、1858年8月14日に連合王国貴族として「インヴァーネス＝マリ州ストラスペイのストラスペイ男爵」に叙せられました。これにより、伯爵家は自動的にイギリス貴族院の議席を得ることとなりました。しかし、ジョンの嫡男イアンが未婚のまま死去したため、男爵位は廃絶となりました。その後、第9代伯爵ジェームズが同名の爵位を再創設し、この爵位は現存しています。第11代伯爵ジェームズが第一次世界大戦で戦死した際、男子への相続を求めるストラスペイ男爵位は弟のトレヴァーが継承し、伯爵位と分離しました。一方、女系継承が可能なシーフィールド伯爵位は、第11代伯爵の長女ニーナが相続しました。

現在の当主は、第13代シーフィールド伯爵イアン・オグルヴィ＝グラントです。かつて伯爵家の邸宅として使用されていたカレン・ハウスは、その歴史を今に伝えています。

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