ストラスペイ男爵

ストラスペイ男爵

ストラスペイ男爵（Baron Strathspey）は、イギリスの貴族称号であり、連合王国貴族爵位の一つです。この爵位は、これまで二度創設されており、いずれもスコットランドの有力貴族であるシーフィールド伯爵家に対して叙爵が行われました。

歴史

第1期 (1858年)

最初のストラスペイ男爵位は、1858年8月14日にジョン・オギルヴィ＝グラント（1815年 - 1881年）に対して、「インヴァーネス＝マリ州ストラスペイのストラスペイ男爵」として授与されました。彼は叙爵以前の1853年に父からシーフィールド伯爵位を継承していたため、この男爵位は伯爵位の従属爵位という位置づけとなりました。

しかし、彼の息子である第8代シーフィールド伯爵イアン（1851年 - 1884年）が1884年に生涯未婚のまま死去したことで、第1期のストラスペイ男爵位は廃絶となりました。一方で、シーフィールド伯爵位は彼の叔父であるジェームズが継承し、ジェームズは直後に第2期のストラスペイ男爵位を授与されることになります。

第2期 (1884年)

第9代シーフィールド伯爵ジェームズ（1817年 - 1888年）は、1884年6月17日に連合王国貴族爵位である「インヴァーネス＝マリ州ストラスペイのストラスペイ男爵」に叙されました。この叙爵が現在まで存続しているストラスペイ男爵家の起源となります。

ジェームズの孫にあたる第11代シーフィールド伯爵ジェームズ（1876年 - 1915年）が男子のないまま第一次世界大戦で戦死したため、ストラスペイ男爵位は彼の弟であるトレヴァー（第4代男爵、1879年 - 1948年）が継承しました。一方、女子相続が可能であったシーフィールド伯爵位を含むスコットランド貴族爵位は、第11代伯爵の長女ニーナが相続しました。これにより、ストラスペイ男爵位はシーフィールド伯爵位から分離することとなりました。

以降、ストラスペイ男爵家は第4代男爵の系統によって存続しており、その孫にあたるジェームズ（1943年 - ）が第6代ストラスペイ男爵として現当主を務めています。彼はまた、グラント氏族（Clan Grant）の氏族長も兼務しています。

現当主の保有爵位と地位

現在の当主である第6代ストラスペイ男爵ジェームズ・パトリック・トレヴァー・グラント・オブ・グラントは、以下の爵位と地位を保有しています。

第6代インヴァーネス＝マリ州ストラスペイのストラスペイ男爵 (1884年)
第18代(コフーンの)準男爵 (1704年)
第33代グラント氏族長

ストラスペイ男爵一覧

ストラスペイ男爵（第1期; 1858年）

初代：ジョン・チャールズ・オギルヴィ＝グラント (第7代シーフィールド伯爵) (1815–1881)
2代：イアン・チャールズ・オギルヴィ＝グラント (第8代シーフィールド伯爵) (1851–1884)（1884年に男爵位廃絶）

ストラスペイ男爵（第2期; 1884年）

初代：ジェームズ・オギルヴィ＝グラント (第9代シーフィールド伯爵) (1817–1888)
2代：フランシス・ウィリアム・オギルヴィ＝グラント (第10代シーフィールド伯爵) (1847–1888)
3代：ジェームズ・オギルヴィ＝グラント (第11代シーフィールド伯爵) (1876–1915)
4代：トレヴァー・オギルヴィ＝グラント (1879–1948)
5代：ドナルド・パトリック・トレヴァー・グラント・オブ・グラント (1912–1992)
6代：ジェームズ・パトリック・トレヴァー・グラント・オブ・グラント (1943-)

現在の爵位の推定相続人は、現当主の弟であるマイケル・パトリック・グラント・オブ・グラント閣下 (1953-)です。

関連項目

グラント氏族
コフーン氏族
シーフィールド伯爵
* コフーン準男爵

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