シールドAI V-BAT

シールドAI V-BAT

シールドAI V-BAT（英語: Shield AI V-BAT）は、アメリカのマーティンUAVによって開発された垂直離着陸（VTOL）式無人航空機です。この機体は、アメリカ国防総省によりMQ-35Aという名称が付与されています。特に、軍事用途に対応した高性能な無人機として注目されています。

機体の構成

V-BATは、後部に位置する単発ダクテッドファンを有し、約3.6メートル四方という限られた空間からでも離陸することが可能です。離陸後は直ちに、垂直ホバリングモードから水平飛行モードにスムーズに移行でき、事前にプログラミングされた飛行ルートを自動で追従します。機体の組み立ては、2名の作業者によって30分以内に完了することができ、輸送はピックアップトラックやUH-60多用途ヘリコプターなどを使用して行うことができます。

V-BATは、11.3キログラムのペイロードを持ち、主に前部に電気光学（EO）および中波長赤外線（MWIR）カメラを装備しています。これにより、データリンクを通じてリアルタイムで映像や画像を送信することができ、任務に応じた機材への変更が可能です。

採用国

V-BATは、アメリカ合衆国をはじめ、いくつかの国で採用されています。

特にアメリカ陸軍と海軍がその主要な利用者であり、ウクライナも2022年からのロシアによる侵攻を受けて、アメリカから供与されたV-BATの運用を始めました。この機体は、2024年8月からの運用が予定されており、ロシア軍の地対空ミサイルシステムの位置を特定するために使用されるとのことです。

さらに、日本もV-BATを導入することを発表しました。海上自衛隊は2025年1月22日に、同機を小型無人航空機として選定し、防衛省の2025年度予算案では、艦載型UAV（小型）として6機を40億円で取得することが明記されています。

性能諸元

以下は、シールドAI V-BATの主な性能諸元です。

• - 全長: 2.74 m (9 ft 0 in)

• - 翼幅: 2.96 m (9 ft 9 in)

• - 最大離陸重量: 57 kg (126 lb)

• - 動力: TOA288 2ストロークEFI × 1

性能

• - 最大速度: 157 km/h (85 kn)

• - 巡航速度: 98 km/h (53 kn)

• - 航続距離: 130 km (70 nmi)

• - 実用上昇限度: 5,486.4 m (18,000 ft)

このように、シールドAI V-BATは、戦術的な用途に特化した設計と先進的な技術を備えた無人航空機であり、多様な軍事任務に対応しています。今後の運用において、その性能がどのように活かされるのか注目されます。

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