ジアペルタ

ジアペルタ (Ziapelta)

ジアペルタは、白亜紀後期（カンパニアン）の北米に生息していたアンキロサウルス科に属する曲竜類です。化石はアメリカ、ニューメキシコ州のカートランド累層から発見されており、現在知られているのはZiapelta sanjuanensisという1種のみです。

発見の経緯

2011年、Robert Michael Sullivan氏が率いるニューメキシコ自然史博物館とペンシルベニア州立博物館の共同調査隊が、カートランド累層で発掘調査を実施しました。その結果、Bisti/De-Na-Zin Wilderness内のハンターウォッシュ部層とデナジン部層において、Z. sanjuanensisの多数の化石が発見されました。これらの化石に基づいて新種として記載されており、ホロタイプ標本であるNMMNH P-64484は、デナジン部層で発見された、下顎を欠くもののほぼ完全な頭骨、第一、第二ハーフリング（頸部を覆う装甲）、および多数の皮骨で構成されています。また、別の標本NMMNH P-66930は、ハンターウォッシュ部層で発見された第一ハーフリングです。

学名の由来

2014年、Victoria Arbour氏らによってZiapelta sanjuanensisとして命名・記載されました。属名のZiapeltaは、ニューメキシコ州の旗にも使用されているジア族の太陽シンボルと、アンキロサウルス科の装甲を意味するラテン語の「pelta」（盾）に由来します。種小名のsanjuanensisは、化石が発見されたサンファン郡にちなんでいます。

形態的な特徴

Z. sanjuanensisには、他のアンキロサウルス類には見られない固有の特徴がいくつかあります。

口吻部の中央にある骨板（caputegula）が大きく、三角形をしている。
鱗状骨の角が長く（約10cm）、先端が前方に曲がっている。
頭骨の基部付近に3つの深い溝がある。

その他、頭骨後部の角が太く下向きに曲がっている点、前眼窩部が凸状である点、幅広くて四角い前上顎骨が頭部の装飾を覆っている点などが挙げられます。上顎骨には、両側にそれぞれ18本ずつの歯が並んでいます。ハーフリングの皮骨の高さは2.4cmから11cmまで様々です。

成体の全長は5mから6mと推定されています。

系統分類

ジアペルタはアンキロサウルス科に分類されており、カナダのスコロサウルスに近縁であると考えられています。同時代に同じ地域に生息していたノドケファロサウルスとは、直接的な類縁関係はないようです。

参考文献

Arbour, V. M.; Burns, M. E.; Sullivan, R. M.; Lucas, S. G.; Cantrell, A. K.; Fry, J.; Suazo, T. L. (2014). "A New Ankylosaurid Dinosaur from the Upper Cretaceous (Late Campanian) of New Mexico Sheds Light on the Phylogeny of Ankylosauridae". PLoS ONE. 9 (9): e108233.

外部リンク

* Shamosaurus in the Dino Directory

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