ジイジ〜孫といた夏

ジイジ〜孫といた夏〜：現代社会に問いかける家族の物語

2004年8月、NHKの月曜ドラマシリーズにて放送された『ジイジ〜孫といた夏〜』は、平均視聴率17%を記録するなど大きな話題を呼びました。全4話というコンパクトな構成ながら、視聴者の心を掴んで離さず、その後も数度に渡り再放送される人気作品となりました。

このドラマは、頑固で一見近寄りがたいものの、孫たちを深く愛する祖父・片岡英吉（西田敏行）と、彼を取り巻く家族の物語を描いています。現代社会において、父親不在の家庭が増加する中、従来のホームドラマの枠組みでは家族像を描ききれないという課題がありました。そこで、このドラマでは父親を故人と設定し、代わりに祖父である英吉を家族の中心に据えることで、家族の絆や問題解決を温かく、そしてユーモラスに描いています。

脚本を担当したのは野依美幸氏。古き良き時代の家族像を現代風にアレンジし、現代社会が抱える問題を、家族の温かさを通して解決していくストーリー構成は、アメリカで制作された『Our House』（NHKでは『頑固じいさん孫3人』として放送）といった先行作品の先駆けとなるものだったと言えるでしょう。

ドラマでは、英吉の孫である夏子（古手川祐子）、あたる（榮倉奈々）、昴（落合扶樹）、翔（小杉彩人）ら、個性豊かな登場人物たちが登場します。それぞれが抱える悩みや葛藤、そして成長を丁寧に描かれており、視聴者は登場人物たちと共に喜びや悲しみを分かち合うことができます。また、孫たちの母親である夏子と、英吉を取り巻く周囲の人々との人間関係もドラマを彩る重要な要素となっています。

続く2005年には、続編となる『ジイジ2〜孫といた夏〜』が全5話で放送されました。第1シリーズで描かれた家族の物語はさらに深みを増し、新たな問題や喜びが描かれます。前作と同様に、家族の温かさや絆の大切さを改めて感じさせる、心温まる作品に仕上がっています。

主な登場人物:

片岡英吉（西田敏行）：頑固だが優しい祖父。家族の支柱となる存在。
片岡夏子（古手川祐子）：英吉の娘。シングルマザーとして奮闘する。
片岡あたる（榮倉奈々）：夏子の長女。思春期特有の悩みを抱える。
片岡昴（落合扶樹）：夏子の長男。
片岡翔（小杉彩人）：夏子の次男。
坂本美鈴（いしのようこ）：夏子の友人。
磯崎和夫（野村宏伸）：夏子の職場仲間。
小川医師（沼崎悠）：
沢田一成（織本順吉）：

スタッフ:

脚本：野依美幸
プロデューサー：柴崎正
演出：赤羽博、楠田泰之

各話のタイトル(第1シリーズ):

第1回：お世話になります
第2回：ひとりはヤダ!
第3回：居場所をください
第4回：みんなといたい

各話のタイトル(第2シリーズ):

第1回：またまた面倒かけます
第2回：私の生きる道
第3回：子供できちゃった!?
第4回：再婚するの!?
* 第5回：ずっと一緒にいたい

『ジイジ〜孫といた夏〜』は、単なるホームドラマの枠を超え、現代社会における家族のあり方や、世代間の溝、そして人生の様々な局面における葛藤と成長を丁寧に描き出した、普遍的なテーマを持つ作品です。西田敏行氏をはじめとする豪華キャストの熱演も相まって、多くの視聴者の共感を呼び、高い評価を得た名作と言えるでしょう。 また、榮倉奈々さんと西田敏行さんが『瞳』でも共演している点も興味深い点です。

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