楠田泰之

楠田泰之：日本のテレビドラマ史に名を刻む演出家

楠田泰之（くすだやすゆき）氏は、1946年9月16日神奈川県生まれのベテランテレビプロデューサー、演出家です。名匠・木下恵介監督作品に深く関わり、その才能を磨いてきた氏のキャリアは、日本のテレビドラマ史において重要な位置を占めています。

名門の系譜と充実したキャリア

楠田氏は、木下惠介映画のカメラマンとして活躍した楠田浩之氏を父に、木下恵介監督および作曲家木下忠司氏の妹で脚本家の楠田芳子氏を母に持ちます。芸術一家に生まれた氏は、立教大学文学部卒業後、1970年に木下恵介プロダクション（現ドリマックス・テレビジョン）に入社。1975年、TBSテレビ『木下恵介・人間の歌シリーズ』の『旅への誘い』で監督デビューを果たします。

木下プロダクション時代には、『お菓子放浪記』『すぐやる一家青春記』『おおヒバリ!』など、数多くの作品を手掛け、70～80年代のテレビドラマ黄金期を支えました。これらの作品で培った演出力は、後の氏の成功の礎となっています。特に『金曜日の妻たちへII』のような話題作への貢献は、氏の高い演出能力を物語っています。

アベクカンパニー設立とフリーランスへの転身

1988年、木下プロダクションで同僚だった阿部祐三氏、赤羽博氏らと共に、映像制作会社アベクカンパニーを設立。同社では、『もう誰も愛さない』など、社会現象を巻き起こした話題作を数多く手がけました。

2009年にアベクカンパニーを退社後は、フリーランスの演出家として活動を継続。長年に渡る経験と実績から、多くの作品で演出・プロデュースに携わり、第一線で活躍を続けています。

多様なジャンルの作品群

氏の作品リストは実に多岐に渡り、時代劇、ホームドラマ、サスペンス、恋愛ドラマなど、幅広いジャンルを網羅しています。TBS、フジテレビ、日本テレビ、NHKなど、様々な放送局の作品に携わっており、その高い適応能力と演出手腕が伺えます。

さらに、映画作品にも『パ★テ★オ』『花より男子』など、数々の作品で才能を発揮しています。これらは、氏がテレビドラマにとどまらず、映画界にも大きな足跡を残していることを示しています。

創作への情熱と今後の展望

長いキャリアの中で、常に新しい挑戦を続ける楠田氏。その作品群には、時代や社会の変遷を映し出すとともに、人間ドラマへの深い洞察が感じられます。

数々の名作を世に送り出し、日本のテレビドラマ界に多大な貢献をした楠田泰之氏。その今後の活動からも目が離せません。

主な作品リスト（抜粋）

木下プロ時代: 『木下恵介・人間の歌シリーズ』（複数作品）、『金曜日の妻たちへII 男たちよ、元気かい?』、『毎度おさわがせします』シリーズなど
アベクカンパニー時代: 『もう誰も愛さない』、『愛しあってるかい!』、『あなただけ見えない』など
フリーランス時代: 『小京都連続殺人事件』シリーズ、『沖縄リゾート コンシェルジュ具志堅陽子の名推理』シリーズなど

関連事項:

日本映画監督協会

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