ジェイコム足立

株式会社ジェイコム足立

株式会社ジェイコム足立は、かつて東京都足立区に本社を置き、同区を主なサービス提供区域としていたケーブルテレビおよび電気通信事業者です。株式会社ジュピターテレコム（J:COM）の連結子会社として「J:COM 足立」の呼称で事業を展開していましたが、2019年4月1日に株式会社ジェイコム東京に吸収合併され、法人としては消滅しました。

沿革

同社の歴史は、1995年8月7日に「株式会社ケーブルテレビ足立」として設立されたことに始まります。設立後まもなく増資を行い、事業基盤を強化。1996年2月9日には有線テレビジョン放送施設の設置許可を取得し、同年12月1日には足立区内における最初のサービス提供エリア（第1期工区）での開局を実現しました。その後も順次エリアを拡大し、2000年12月1日の第5期工区開局まで、段階的にサービス網を整備していきました。

事業領域の拡大も進められ、1999年5月18日には第一種電気通信事業許可を取得。翌2000年6月1日にはインターネット接続サービスを開始しました。デジタル放送への対応も早期に進められ、2001年にはBSデジタル放送のデジアナ変換を暫定的に開始するなど、時代の変化に合わせたサービス提供に努めました。

会社の所有構造にも変化がありました。当初親会社であった伊藤忠商事株式会社は、2005年3月23日に保有株式を株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズ（現スカパーJSAT株式会社）に譲渡。その後、2010年2月26日にはスカパーJSAT株式会社がジャパンケーブルネット株式会社（JCN）に株式を譲渡し、同社はJCNグループの一員となりました。これを機に、同年3月1日には呼称を「JCN足立」に変更し、JCNが展開する統一サービス体系を導入しました。

JCNグループ時代には、高速インターネットサービスの強化やIP電話サービスの拡充、コミュニティチャンネルの再編（あだちコミュニティチャンネルなどを統合し「JCN足立チャンネル」に変更）、WiMAXサービスの提供など、幅広いサービス展開が行われました。また、この時期に地上アナログ放送の終了に伴うデジアナ変換への対応や、放送方式の変更なども実施されています。

2013年12月2日、親会社であるジャパンケーブルネット株式会社が株式会社ジュピターテレコムの子会社となったことで、同社はJ:COMグループの一員となりました。そして翌2014年4月1日には、ジャパンケーブルネット株式会社がジュピターテレコムに吸収合併されたことを受け、同年6月1日には呼称を正式に「J:COM 足立」に変更。JCNブランドは廃止され、「J:COM TV」、「J:COM NET」、「J:COM PHONE」といったJ:COMの統一サービス名称とサービスラインナップが導入されました。同年7月1日には商号も現在の「株式会社ジェイコム足立」に変更しています。

J:COMグループ参画後も、サービスの統一化を進めつつ、インターネットプロバイダのZAQへの変更や、J:COMオンデマンド、J:COM緊急地震速報といった新たなサービスの提供を開始しました。しかし、グループ内での組織再編の一環として、2019年4月1日、株式会社ジェイコム足立は株式会社ジェイコム東京に吸収合併され、その法人格は消滅し、地域サービスはジェイコム東京に引き継がれることとなりました。

主な提供サービス（合併直前）

合併直前まで、主に以下のサービスを提供していました。

J:COM TV: 多チャンネル放送、地上デジタル放送、BSデジタル放送など。地域情報を提供するコミュニティチャンネル「J:COMチャンネル足立」も運営していました。
J:COM NET: インターネット接続サービス。プロバイダはZAQが提供していました。高速通信やWiMAX連携サービスも含まれます。
J:COM PHONE: 固定電話サービス。VoIP方式のプライマリ電話サービスなどがありました。
その他: J:COM電力、J:COM MOBILE、VODサービス（J:COMオンデマンド）、緊急地震速報サービスなどが提供されていました。

事業所

本社および足立営業事務所は、東京都足立区綾瀬2丁目に位置していました。

提供区域

東京都足立区。

株式会社ジェイコム足立の事業とインフラは、合併によりジェイコム東京に引き継がれ、現在も足立区におけるJ:COMサービスとして提供が継続されています。

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