ジェイソン・スミス (アメリカンフットボール)

ジェイソン・スミス：苦難を乗り越えNFLへ、しかし怪我に苦しんだキャリア

ジェイソン・スミス（Jason Smith, 1986年4月30日 - ）は、テキサス州ダラス出身のアメリカンフットボール選手でした。ポジションはオフェンシブラインマンで、ニックネームは「J. Smooth」。

生い立ちと高校時代

ダラス北西部の、麻薬密売やギャングが蔓延る地域で、祖母と母親に育てられました。しかし、彼の育った場所からわずか2マイルほどの場所には、全米でも有数の富裕層が住むハイランド・パークがありました。高校時代からオフェンシブラインマンとして注目されていましたが、3年時にはタイトエンドに転向。7回のキャッチで101ヤード、1タッチダウンを記録しました。しかし、大学からの奨学金オファーは少なく、ベイラー大学からオファーを受けた日に進学を決意しました。

大学時代

ベイラー大学では、1年次にタイトエンドとして11試合に出場し、6回のキャッチで70ヤード、1タッチダウンを記録。2年次にはライトタックルにコンバートされ、12試合に先発出場を果たしました。3年次には膝の故障に苦しみましたが、レフトタックルとして7試合に先発出場。4年次には、オールアメリカンやビッグ12カンファレンスのオールスターに選ばれる活躍を見せ、大学のMVPにも選ばれました。

NFLでのキャリア

2009年のNFLドラフトでは、全体2位でセントルイス・ラムズから指名を受けました。これは、ベイラー大学の選手としては1996年以来の快挙でした。ラムズでは、プロボウルに7回選出されたオーランド・ペースの代役として期待されましたが、11月22日の試合で脳震盪を起こし、8試合の出場に留まりました。

2010年には、つま先の疲労骨折が発覚。さらに、新人の台頭によりポジションを奪われ、苦しいシーズンとなりました。2011年には、脳震盪と首の負傷により故障者リスト入りし、わずか6試合の出場に終わりました。2012年には、年俸を大幅に減額して契約を見直しましたが、シーズン中にトレードでニューヨーク・ジェッツへ移籍。ジェッツでは全16試合に出場しましたが、先発出場は一度もありませんでした。

2013年にはジェッツから解雇され、ニューオーリンズ・セインツと契約するも、すぐに解雇。その後、ジェッツと再契約しましたが、最終ロースターカットで再び解雇されました。

人物

ドラフト指名直前のイベントで、人生で一番大切なことは「親の話に耳を傾けること」と述べています。

ジェイソン・スミスは、恵まれない環境から努力でNFL選手としての地位を掴みましたが、度重なる怪我に悩まされ、その才能を十分に発揮することができませんでした。しかし、彼の人生観や努力は、多くの人々に感動を与えました。

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