タイトエンド

タイトエンド（TE）とは

アメリカンフットボール、カナディアンフットボール、アリーナフットボールなどの攻撃時におけるタイトエンドは、オフェンスラインと受信者（レシーバー）の双方の特性を兼ね備えたポジションです。タイトエンドは、ブロックやパスプレーにおいて重要な役割を担い、チームの戦略に応じてその機能が異なります。例えば、オフェンスラインの選手として主にブロックをする選手もいれば、パスプレーに積極的に関与する選手も存在します。これにより、タイトエンドの役割は実に多様です。

タイトエンドの歴史

タイトエンドのポジションが確立された背景には、1940年代から50年代にかけて自由な交代制度が導入されたことがあります。それ以前のアメリカンフットボールでは、選手は攻撃と守備の両方をこなすことが必要でしたが、選手不足が深刻化したことから、専門性が求められるようになりました。クリーブランド・ブラウンズのヘッドコーチ、ポール・ブラウンは、ラインでのレシーバー利用の可能性に注目し、これによりタイトエンドという役割が誕生しました。

1960年代には、タイトエンドはまだライン選手としての役割が強固でしたが、マイク・ディトカの登場により、受信者として活用される場面が増えていきます。1980年代には、タイトエンドを多様に利用した攻撃スタイルが定着しました。1990年代には、シャノン・シャープやトニー・ゴンザレスといった選手がチームのパスの主要ターゲットとなり、さらに脚光を浴びるようになりました。特に2011年、ロブ・グロンコウスキーがシーズン記録を達成し、NFLにおけるタイトエンドの重要性が増したことは、今までの流れを象徴しています。

タイトエンドの役割

ランプレー

タイトエンドは、ランプレーにおいてオフェンスラインの一部としてブロックを行い、ランニングバックの進路を確保します。また、リバースプレーにおいてはボールを持って走ることもあります。タイトエンドの幅広い能力が、戦略の多様性を生んでいるのです。

パスプレー

パスプレーにおいては、タイトエンドはレシーバーとして短い距離のパスを受けることが多いですが、パスプロテクションにも参加し、クォーターバックの時間を稼ぐ重要な役割を果たします。さらに、パスプロテクションからのスクリーンパスや、プレーアクションによるパスを受けるなど、柔軟に戦術を変えることも求められます。タイトエンドは、まさに戦術の要素となるポジションと言えるでしょう。

身体的特徴

通常、タイトエンドはチームの中でも背が高く、パスキャッチのターゲットとして重要な存在ですが、速度は他の受信者やランニングバックに比べると劣ります。ただし、例外として非常にスピードに優れたタイトエンドも存在します。体格に関しては、ラインとしてプレーすることもあるため、重量はラインバッカーより軽いものの、比較的重めであることが求められます。

背番号

タイトエンドの背番号は、アメリカの大学や高校の多くで1から49、80から99の範囲に制限されています。NFLではルールにより、かつては40から49、80から89の番号しか使用できませんでしたが、2021年のルール変更により、タイトエンドは1から49、80から89を使えるようになりました。

タイトエンドは攻撃面における多才さと、チーム全体の戦略において欠かせない存在として、その重要性は今後も増していくでしょう。

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