ジェイムズ・ハミルトン (第2代アラン伯爵)

ジェイムズ・ハミルトン (第2代アラン伯爵) について

ジェイムズ・ハミルトン（英語: James Hamilton, 2nd Earl of Arran、1516年? - 1575年1月22日）は、16世紀スコットランドの激動期を生きた貴族、政治家です。彼は、第2代アラン伯爵として知られ、スコットランド女王メアリーの摂政という重要な地位を務めました。

生い立ちと王位継承権

ジェイムズ・ハミルトンは、初代アラン伯爵ジェイムズ・ハミルトンの長男として生まれました。彼の父方の祖母メアリーがスコットランド王ジェームズ2世の娘であったことから、ジェームズ2世の曾孫にあたり、王位継承権を有していました。1536年に第2代オールバニ公ジョン・ステュワートが死去すると、当時の国王ジェームズ5世に子がなかったため、彼は国王の子孫に次ぐスコットランドの王位継承権者、つまり事実上の王位継承順位1位となりました。

アラン伯爵として、そして摂政として

1529年3月26日、彼は第2代アラン伯爵位を継承しました。その後、1542年12月に生後1週間でスコットランド女王に即位したメアリーの摂政に就任しました。さらに1548年2月8日には、フランス貴族の爵位であるシャテルロー公爵に叙されています。摂政として、彼は王母メアリー・オブ・ギーズによる王権介入を阻止しようと尽力しましたが、1554年に摂政を解任されました。

メアリー女王帰国後の動向

1548年以来フランスに避難していたメアリー女王は、夫であるフランス王アンリ2世に先立たれた後の1561年にスコットランドに帰国しました。帰国後、女王はダーンリー卿ヘンリー・ステュアートとの結婚を希望しましたが、アラン伯爵はこれに強く反対し、その結果1566年までフランスに追放されることとなりました。1569年に帰国してからは、1567年に廃位されていたメアリー女王の支持派として行動しました。

1575年1月22日、彼はその生涯を閉じました。

家族

ジェイムズ・ハミルトンは、1532年以前に第3代モートン伯爵ジェイムズ・ダグラスの娘マーガレットと結婚しました。彼女との間には、3男5女が生まれています。

長女：アン・ハミルトン - 第5代ハントリー伯爵ジョージ・ゴードンと結婚
次女：ジェーン・ハミルトン - 第3代エグリントン伯爵ジェイムズ・ハミルトンと結婚
三女：バーバラ・ハミルトン - ゴードン卿アレクサンダー・ゴードンと結婚後、第4代フレミング卿ジェイムズ・フレミングと再婚
長男：ジェイムズ・ハミルトン - 第3代アラン伯爵
次男：ガウェイン・ハミルトン - 早世
三男：ジョン・ハミルトン - 初代ハミルトン侯爵。ハミルトン公爵家の祖
四男：デイヴィッド・ハミルトン - 早世
五男：クロード・ハミルトン - 初代ペイズリー卿。アバコーン公爵家の祖

まとめ

ジェイムズ・ハミルトンは、スコットランドの歴史において重要な役割を果たした人物です。王位継承権を有し、女王の摂政を務めるなど、政治的な影響力も大きく、その生涯はスコットランドの歴史を深く理解する上で欠かせない要素となっています。

参考文献

* 森護『英国王室史事典-Historical encyclopaedia of Royal Britain-』大修館書店、1994年。ISBN 978-4469012408。

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