ハミルトン公爵

ハミルトン公爵の歴史

ハミルトン公爵は、スコットランド貴族の公爵位であり、その歴史は17世紀に遡ります。初代ハミルトン公爵は、第3代ハミルトン侯爵ジェイムズ・ハミルトンであり、1643年に叙爵されました。その後、1711年には第4代ハミルトン公爵ジェイムズ・ハミルトンがグレートブリテン貴族のブランドン公爵に叙せられ、以降、ハミルトン家は2つの公爵位を保持することとなります。

起源

ハミルトン家の起源は、カデュ領主であるハミルトン氏族に遡ります。15世紀にはジェイムズ・ハミルトンがスコットランド王ジェイムズ2世の娘と結婚し、1445年にハミルトン卿に叙せられました。その息子がアラン伯爵に叙せられ、摂政補佐役として活躍しました。

爵位の変遷

ハミルトン卿: 1445年にジェイムズ・ハミルトンが叙爵。
アラン伯爵: 1503年にジェイムズ・ハミルトンが叙爵。その後、ハミルトン侯爵を経て、ハミルトン公爵位へと繋がります。
シャテルロー公爵: 第2代アラン伯爵が1549年にフランスから得ましたが、1559年に剥奪されました。
ハミルトン侯爵: 1599年にジョン・ハミルトンが叙爵。その息子がアラン伯爵位も継承します。
ケンブリッジ伯爵: 1619年にジェイムズ・ハミルトンがイングランド貴族爵位として叙爵。
ハミルトン公爵: 1643年に第3代ハミルトン侯爵ジェイムズ・ハミルトンが叙爵されました。
ラナーク伯爵: 第2代ハミルトン公爵が1639年に叙爵。
ブランドン公爵: 1711年に第4代ハミルトン公爵が叙爵。

初代公爵と内戦

初代ハミルトン公爵は、イングランド内戦で王党派として議会派と対立し、1648年に敗北、翌年処刑されました。その後、弟が第2代公爵位を継承しましたが、彼もまた王党派として戦い、戦傷がもとで亡くなりました。

爵位の再交付と継承

第2代公爵の死後、一部の爵位は休止しましたが、1661年に初代公爵の娘アン・ハミルトンに、彼女の男系男子に継承される形で再交付されました。また、彼女の夫ウィリアム・ダグラス＝ハミルトンにも一代限りの爵位が与えられました。

合併とブランドン公爵位

第4代ハミルトン公爵は、スコットランドとイングランドの合併に反対していましたが、後に賛成派に転じました。合併後の1711年、彼はブランドン公爵位を授与されました。

その後の継承

18世紀には、第7代ハミルトン公爵がダグラス侯爵位などを継承し、ハミルトン家はさらに多くの爵位を保持することになります。

現在の当主

現在の当主は第16代ハミルトン公爵、第13代ブランドン公爵であるアレクサンダー・ダグラス＝ハミルトンです。彼は、多くの歴史的な爵位を継承しています。本邸はスコットランドのレノックスラブ・ハウスにあります。

アレクサンダー・ダグラス＝ハミルトンが保有する爵位

第16代ハミルトン公爵
第13代ブランドン公爵
第13代ダグラス侯爵
第16代クライズデール侯爵
第23代アンガス伯爵
第15代ラナーク伯爵
第16代アラン＝ケンブリッジ伯爵
第13代アバーネシー＝ジェドバラ・フォレスト卿
第15代マッカンシャイア＝ポルモント卿
第16代エイブン＝インナーデール卿
チェスターのパラティン州におけるダットンの第13代ダットン男爵

カデュ領主一覧

ハミルトン卿以前のカデュ領主は以下の通りです。

初代サー・ウォルター・フィッツ・ギルバート
2代サー・デイヴィッド・フィッツ・ウォルター
3代サー・デイヴィッド・ハミルトン
4代サー・ジョン・ハミルトン
5代サー・ジェイムズ・ハミルトン
6代サー・ジェイムズ・ハミルトン（ハミルトン卿）

法定推定相続人

現在の法定推定相続人は、16代公の長男であるクライズデール侯ダグラス・チャールズ・ダグラス＝ハミルトンです。

参考文献

田村秀夫『イギリス 歴史的風土』中央大学出版部、1973年。
浜林正夫『イギリス名誉革命史 下巻』未来社、1983年。
森護『スコットランド王国史話』大修館書店、1988年。
森護『英国王室史事典』大修館書店、1994年。
松村赳・富田虎男編『英米史辞典』研究社、2000年。

関連項目

ハミルトン氏族
ダグラス氏族
アバコーン公爵
アンガス伯爵
アラン伯爵
セルカーク伯爵
アベーネシー卿
ベルヘイヴェン及びスティントン卿
ディーエルのハミルトン男爵
ハミルトン宮殿・ハミルトン霊廟
ブロディック城
レノックスラブ・ハウス
ホリールード宮殿

外部リンク

Lennoxlove House official website

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