ジェイムズ・ハミルトン (第8代アバコーン伯爵)

第8代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトン：生涯と業績

第8代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトン（1712年10月22日 – 1789年10月9日）は、18世紀のグレートブリテン王国およびアイルランド王国の貴族であり、政治家として活躍しました。トーリー党に所属し、スコットランド貴族代表議員を長年にわたり務めました。

生い立ちと教育

1712年、ジェイムズ・ハミルトンは第7代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトンとその妻アンの長男として、ロンドンのクイーン・スクエアで生を受けました。1729年にはオックスフォード大学クライスト・チャーチに入学し、教育を受けました。

爵位継承と領地

父の存命中である1736年、ジェイムズは父からアイルランド貴族であるマウントキャッスル男爵位を継承し、アイルランド貴族院議員に就任しました。1744年に父が亡くなると、アバコーン伯爵位を継承しました。アバコーン伯爵位はスコットランド貴族の爵位でしたが、爵位継承時、彼はスコットランドに領地を所有していませんでした。そのため、1745年にエディンバラシャーのダディンストンを、1764年にレンフルーシャーのペイズリーを購入しました。これらの領地は、かつてアバコーン伯爵家が所有していたことがあった場所でした。

不在地主としての活動

アイルランドに広大な領地を有していた彼は、不在地主でありながらも、ティロン県バロンズコートに邸宅を建設しました。また、イングランドのエセックス州ウィタムにも邸宅を所有し、1761年にはシャーロット王妃を招待しています。

政治家としての活動

1761年のイギリス総選挙でスコットランド貴族代表議員に選出されて以降、1768年、1774年、1780年、1784年の総選挙でも再選を果たしました。グレートブリテン貴族院ではトーリー党に属し、1766年には印紙法廃止に反対票を投じ、1783年にはチャールズ・ジェームズ・フォックスの東インド法案にも反対しました。

ハミルトン子爵叙爵

1786年、ジェイムズ・ハミルトンはグレートブリテン貴族であるハミルトン子爵に叙されました。この爵位には特別残余権が定められており、初代子爵の男系男子が絶えた場合、初代子爵の弟の息子であるジョン・ジェイムズが継承することとされました。この叙爵に伴い、彼はスコットランド貴族代表議員を退任しました。叙爵の理由は、スコットランド社会における地位と貢献によるものでした。

死去とその後

ダディンストンからロンドンへ向かう途中、1789年10月9日に生涯未婚のままバラブリッジで亡くなりました。遺体はペイズリー寺院に埋葬され、爵位は甥のジョン・ジェイムズが継承しました。

人物評

ホレス・ウォルポールからは寡黙な人物と評されましたが、『オックスフォード英国人名事典』では、アバコーン伯爵は寡黙というよりは言葉が簡潔であったと評価されています。

まとめ

ジェイムズ・ハミルトンは、貴族として、また政治家として多岐にわたる活動を行い、その生涯を通じてスコットランドとイングランドの社会に貢献しました。

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