ジェイムズ・ペティヴァー

ジェイムズ・ペティヴァー（James Petiver、1665年頃 – 1718年4月20日）は、17世紀に生きたイギリスの薬剤師であり、同時に情熱的なアマチュア博物学者としても知られています。彼は博物学的な標本を精力的に収集し、そのコレクションは当時非常に有名でした。

ペティヴァーはラグビー近郊のヒルモートンで生まれ、セント・バーソロミュー病院で薬剤師としての訓練を受けました。その後、薬剤師として開業し、その商売は成功を収め、多くの知識階級の人々との交流を持つようになりました。彼の知識と熱意は高く評価され、1695年には王立協会の会員に選出されています。

長年にわたり、ペティヴァーは昆虫や植物などの博物学的な標本を収集しました。彼は海外に向かう船長や医師に、標本の丁寧な取り扱い方法を伝え、収集を委託することで、特にアメリカ大陸のイギリス植民地から多くの貴重な標本を入手しました。1697年には、彼のコレクションは6000点に達し、ロンドンで最も人気のあるコレクションの一つとなり、その内容はペティヴァー自身の著書である『Musei Petiverani Centuria』に詳細に記述されました。

ペティヴァーは、自身の研究活動だけでなく、多くの博物学者の経済的な支援も行いました。ジョン・レイの『植物誌』の出版に協力した他、ヨハン・フィリップ・ブライネ、ウィリアム・バード、ゲオルク・ヨーゼフ・カメル、アントニ・ファン・レーウェンフック、コットン・マザー、ジョアン・サルバドール・イ・リエラ、リチャード・リチャードソン、ヨハン・ヤーコブ・ショイヒツァー、チャールズ・アトキンスなど、著名な人物が彼の支援を受けています。

また、ライデン植物園のパウル・ヘルマンのコレクションも購入するなど、標本収集に対する情熱は並外れたものでした。

生涯独身であったペティヴァーの死後、彼のコレクションは7000ポンドという価格でハンス・スローンによって購入され、現在ではロンドン自然史博物館のスローン・コレクションの一部として展示されています。彼の収集した標本と支援は、博物学の発展に大きく貢献しました。

著書

Musei Petiverani Centuria (London 1692–1703)
Pterigraphia Americana (London, 1712)
Aquatilium Animalium Amboinae, &c. Icones & Nomina (London, 1713)
Gazophylacium naturae et artis (London, 1702–1709)
A Catalogue of Mr Ray's English herbal illustrated... (1713–1715)

参考文献

P. E. Dove (Herausgeber): The Imperial Dictionary of Universal Biography: a Series of Original Memoirs of Distinguished Men, of all Ages and all Nations. London, (1857–1863) - 16 Bände
Alexander Chalmers: The General Biographical Dictionary: Containing an Historical and Critical Account of the Lives and Writings of the most Eminent Persons in Every Nation; Particularly the British and Irish; from the Earliest Accounts to the Present Time. London, 1812–1817. - 32 Bände
Eintrag zu Petiver, James (1663–1718) im Archiv der Royal Society, London (englisch)

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