ジェシュフ

ジェシュフは、ポーランド南東部に位置する都市で、ポトカルパチェ県の県都です。歴史的には、様々な民族や文化の影響を受けながら発展してきました。ポーランド語ではRzeszówと表記され、ドイツ語ではRescheやReichshof、ラテン語ではResovia、イディッシュ語ではReyshe、ウクライナ語ではRyáshivと表記されます。

地理と交通

ジェシュフはカルパティア山脈の北麓、高地に位置しています。クラクフから西へ約150キロメートル、ウクライナのリヴィウから東へ約150キロメートルという、二つの主要都市の中間地点にあります。鉄道網が発達しており、これらの都市へのアクセスが容易です。また、ジェシュフ空港からはワルシャワやロンドンなど、国内外の主要都市へ空路でアクセスできます。

歴史

ジェシュフは1354年にポーランド王カジミェシュ3世によって創設されました。1772年の第一次ポーランド分割でオーストリア（ハプスブルク帝国）領となり、第一次世界大戦後にポーランドが独立すると、再びポーランド領となりました。戦間期には軍事産業の拠点として発展し、第二次世界大戦後には共産党政権下で工業化が進みました。

産業

ジェシュフは伝統的にポーランドの航空産業の中心地として知られています。20世紀初頭から航空産業が発展し、現在も多くの関連企業が拠点を置いています。外国資本もこの地の高い技術力に注目し、プラット・アンド・ホイットニー社のジェットエンジン工場などが進出しています。さらに、ボルグワーナー社の自動車用ターボチャージャー工場も建設される予定です。また、地下資源が豊富であり、機械産業や鉄道車両製造も盛んです。

ウクライナとの関係

2022年にロシアがウクライナに侵攻すると、ジェシュフは国境に近い地理的条件から、ウクライナからの避難民の中継点となりました。国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）が市内の倉庫に拠点を設け、人道支援活動を行いました。また、在ポーランド日本国大使館ジェシュフ連絡事務所が設置され、ウクライナ在留邦人の保護や情報収集の拠点となりました。

気候

ジェシュフは内陸性気候で、夏は比較的暖かく、冬は寒さが厳しいです。年間を通して降水量は比較的安定していますが、夏にやや多くなります。

姉妹都市

ジェシュフは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

コシツェ（スロバキア）
バッファロー（アメリカ合衆国）
リヴィウ（ウクライナ）
ニーレジハーザ（ハンガリー）
ビーレフェルト（ドイツ）
クラーゲンフルト（オーストリア）
ラミア（ギリシャ）
サトゥ・マーレ（ルーマニア）
イヴァーノ・フランキーウシク（ウクライナ）
ルーツィク（ウクライナ）

関連人物

ヴワディスワフ・ホルディンスキー

脚注

関連項目

在ポーランド日本国大使館ジェシュフ連絡事務所

外部リンク

* ジェシュフの公式サイト（ポーランド語）（ドイツ語）（英語）

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